エンタープライズ向けにデジタル労働力を生み出すプラットフォームであるAgentforce 2.0により、新しい事前作成済みスキルライブラリを活用し、システムやワークフローでアクションを取ることが可能となり、あらゆる部門でAIエージェントによる制限のない労働力を供給
Agentforce 2.0により、あらゆる部門が自律型AIを導入し、全従業員がAgentforce in Slackで協業することが可能に
Agentforce 2.0により強化された推論とデータ取得機能で、複雑かつ複数ステップの質問に対する正確な回答とアクションの構成を実現
※本記事は2024年12月17日に米国で公開された Introducing Agentforce 2.0: The Digital Labor Platform for Building a Limitless Workforceの抄訳です。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。
米国Salesforce(以下、Salesforce)は本日、Agentforceの最新バージョンであり、エンタープライズ向けとして初のデジタル労働力を生み出すプラットフォームであるAgentforce 2.0を発表しました。これは、業務フローの中で信頼できる自律型AIエージェントをチームへ拡張するAIシステムです。今回の発表では、AIエージェントのSlackへの展開、迅速なカスタマイズを可能にする事前作成済みスキルの新たなライブラリ、エージェンティック推論能力と検索拡張生成(RAG)が強化されました。これにより、企業は複雑な複数ステップのタスクをより高い精度と正確性で処理できるカスタマイズされたAIエージェントを活用し、労働力を拡大することが可能となります。
重要な理由:あらゆる企業は、利用可能なリソースよりも多くの仕事を抱えており、顧客対応品質の低下やタスクの滞留につながっています。企業はAIに頼ろうとしていますが、汎用的な回答を提供する不十分なソリューションを許容できずにいます(英語)。Copilotのような既存のAIソリューションは、求人応募に対する個別対応のガイダンスや製品を推奨してリードを育成するなど、複雑な要求に対して正確で信頼性の高い回答を提供することが困難です。企業は、データに基づいて推論し、ワークフローを活用して、過負荷のチームに代わってアクションを起こすことができる自律型AIエージェントという形でデジタル労働力を供給するように設計された、新しいタイプのプラットフォームを必要としています。
Agentforce 2.0は、デジタル労働力を生み出すソリューションのリーダーとして、当社の地位を確固たるものとし、あらゆる企業が制限のない労働力を構築してビジネスを変革できるよう支援します
Salesforce 会長 兼 CEO マーク・ベニオフ(Marc Benioff)
Salesforce 会長 兼 CEOのマーク・ベニオフ(Marc Benioff)は、次のように述べています。「Agentforce 2.0は、Salesforceの革新的なデジタル労働力を生み出すプラットフォームを次のレベルへと引き上げました。新しい推論、連携、カスタマイズ機能により、自律型AIエージェントをこれまでにない知能、精度、正確性で強化します。Agentforceに対する需要は非常に高く、これほど包括的なAIソリューションをエンタープライズ向けに提供できる企業は当社の他にありません。私たちは、AI、データ、アプリ、自動化を人とシームレスにつなぎ、仕事の進め方を根本的に変革しています。Agentforce 2.0は、デジタル労働力を生み出すソリューションのリーダーとして、当社の地位を確固たるものとし、あらゆる企業が制限のない労働力を構築してビジネスを変革できるよう支援します」
新しいAIエージェントスキルライブラリにより、Agentforceをあらゆる部署やワークフローに展開
制限のある時間やシステム連携といった課題の中で、個々のビジネスチームや部門向けにカスタマイズされたAIエージェントを構築することは困難です。このような状況に対応するため、Agentforce 2.0では、CRM、Slack、Tableau、パートナーが開発したAppExchangeにわたり、事前作成済みのAIエージェントスキルの新しいライブラリを導入しました。この最新リリースでは、MuleSoftを使用してあらゆるシステムやワークフローにAgentforceを拡張することが可能になりました。また、Agent Builderをさらに強化することで、「新しいプロダクトマネージャーのオンボーディング」などの自然言語の指示により、新しいAIエージェントの要素を自動生成する機能も備えています。これにより、事前作成済みスキルとSalesforceで構築したカスタムロジックをシームレスに組み合わせ、AIエージェントが高度な柔軟性とスピードを提供します。
- CRMスキル:AIエージェント主導のカスタマーエクスペリエンス:営業チーム向けの新しいスキルとして、Sales DevelopmentやSales Coachingを提供します。企業が独自に定めたルールに基づいて見込み客を育成したり、顧客との会議に参加して商談に関するフィードバックをリアルタイムに提供するAIエージェントを構築できるようになります。これにより、営業担当者がより高い成果を上げられるよう支援します。さらに、マーケティングキャンペーンやEコマース事業者向けスキル、サービスエンゲージメントのスケジュール調整スキル、フィールドサービスワーカー向けの新しいスキルを提供します。
- MuleSoftによるあらゆるアプリやワークフローへの対応:MuleSoftによりAgentforceがビジネス全体で業務を遂行できるようになりました。MuleSoft for Flowを使えば、あらゆるシステムを跨ぐローコードワークフローを簡単に作成でき、事前作成済みのコネクタで複数システムのワークフローを迅速に作成することも可能です。また、新しいMuleSoft APIカタログにより、Salesforce、MuleSoft、Heroku、外部サービス全体でAPIの表示、検索、管理が一元化されるため迅速な再利用が可能になります。さらに、MuleSoftトピックセンターを活用することで、AgentforceのメタデータをすべてのAPIに組み込み、あらゆる接続ポイントを自動的にAgentforceのスキルやアクションに変換できます。これにより、すべてのAPIがデフォルトで「AIエージェント主導型」となります。
- Tableauスキル:分析とインサイト:新しいTableauトピックとアクションにより、データビジュアライゼーションと予測分析が可能になります。これにより、AIエージェントの応答に対するより深い理解と、Tableauセマンティックを活用したビジネス上のコンテキストに沿った正確な回答を実現し、データアクセスのハードルを低減します。
- Slackスキル:チャンネルや会話でのエンゲージメント:Agent BuilderでSlack Actionsが利用可能になったことにより、例えばプロジェクトの最新状況を要約してDMで送信したり、進行中のプロジェクトに顧客から変更の依頼があった場合にSlack canvasを更新したりするAIエージェントを追加できるようになります。
- AppExchangeを通じたパートナースキル:Agentforceは、初となるエンタープライズ向けAIエージェントスキルエコシステムによって支えられています。これにより、顧客はAgentforceをカスタムトピックやアクションで拡張することができ、WorkdayのAI Employee Service Agentなどの新しいタイプのエージェントから、Asymbl(英語)、Docusign(英語)、Neuron 7(英語)などのパートナーが構築した新しいアクションまで、幅広く活用することができます。
- Agentforceが必要な作業に適したスキルを推奨:自然言語で業務内容を記述するだけで、数秒で新しいAIエージェントを構築することができます。Agent Builderは、Agentforceを使用して関連するトピックや指示を自動生成し、既存のスキルやアクションのライブラリから情報を取得することで、必要な作業に適した新しいAIエージェントを構築します。これにより、顧客は新しいデジタル労働力を迅速に稼働させることができます。
Agentforce in Slack:AIエージェントと人が協力し合う場所
企業がAIエージェントから価値を引き出すためには、従業員がすでに使用しているツールにソリューションを組み込むことが必要です。Agentforce2.0はSlackに導入可能で、顧客ごとにカスタマイズできるデジタル労働力を業務が行われるダイレクトメッセージ(DM)やチャンネルに展開できます。
- あらゆるメッセージやチャンネルにAgentforceを導入:Agentforce 2.0により、チームはAgentforceをあらゆるSlackの会話へ簡単に導入できます。Slackユーザーは、Agentforce Hubから直接会話を開始したり、DMやチャンネルでAIエージェントを@でメンションし、業務の流れの中でデジタル労働力を直ちに活用できます。
- 新しいSlack ActionsをAgent Builderに追加:AI Agent Builderには、「canvasを作成」や「チャンネルにメッセージを送信」などの新しいSlack Actionsが備わっており、チームは既存のAIエージェントを飛躍的に強化したり、Slackでチームと簡単に連携できる新しいAIエージェントを作成したりできるようになりました。
- エンタープライズ検索における会話のコンテキストを活用:SlackのDM、チャンネル、canvasには顧客のビジネスの特性を反映した豊富な専門知識が含まれています。Agentforce 2.0により、AIエージェントは会話データを利用できるようになり、Slack内での公開情報や許可された情報を利用することで応答やアクションの関連性を高めることができます。
Agentforce2.0で複雑な質問に専門的な回答を提供しアクションを実行する:Atlas推論エンジンはAgentforceの頭脳であり、データとコンテキストの検索、推論、アクションを可能にします。Agentforce2.0では、高度なニュアンスを伴う質問に対応するData Cloudの新しい機能によって強化された推論と検索が導入され、Agentforceにさらに多くのコンテキストが提供されます。これにより、構造化データと非構造化データをビジネス固有のメタデータで補完し、複雑で多面的なリクエストに対してより正確な回答を提供することが可能になります。
- 高度なデータ検索(レトリーバー)による推論の強化:AgentforceのAtlas推論エンジンは、より深い思考が求められる複数のレイヤーに渡るようなさらに幅広いインタラクションを処理することが可能となりました。例えば、「私のポートフォリオの状況は?」というような単純な質問には基本的な推論機能を利用して迅速に回答します。「私の現在の収入とリスク許容度を考慮した場合、子供の大学の資金として適切な投資手段は何か?」などのより深い質問には、さらに高度なデータ検索を使って強化された推論機能が使用されます。Data Cloudから関連データとコンテキスト固有のメタデータを抽出する前にクエリを精製することで、回答の精度が向上します。Atlas推論エンジンは自ら回答を評価し、「エージェントループ」と呼ばれるさまざまなツールやソースをループするプロセスを実行することで、ニュアンスを含む複雑なリクエストに対しても、信頼性の高い分析された回答やアクションをカスタムコードを書くことなく提供することが可能です。
- より豊富なインデックスによる検索拡張生成(RAG)の強化:RAGにより、Agentforceは非構造化コンテンツから関連情報を迅速に検索することが可能です。Atlas推論エンジンの推論能力を強化するために、Data CloudはRAGチャンク(取得データの断片)にSalesforce Platformのメタデータを追加できるようになりました。このメタデータのコンテキストでRAGインデックスを強化することにより、Agentforce 2.0は追加作業なしで顧客企業のビジネス独自の慣習に適応し、最も複雑なリクエストに対しても回答の精度と関連性を向上させます。また、Agentforceが質問へ回答するために取得した正確なソースを指し示すインライン引用により、信頼性も高まります。
SalesforceはAgentforceを利用して迅速でよりパーソナライズされたカスタマーサポートを提供: Salesforce のヘルプページ(英語)には、製品サポートやアカウントに関する問い合わせのサポートを必要とする顧客から年間 6000万件以上のアクセスがあります。help.salesforce.com 上のAgentforceは、顧客に24時間365日のパーソナライズされたサービスを提供すると同時に、必要に応じてすべてのケース履歴とコンテキストを添えて、担当者に自動的に通知します。2024年10月のリリース以来、Agentforceは現在、顧客からの問い合わせの83%をAIエージェントが解決し、担当者の介入を必要とする問題の件数を半減させ、週平均の会話数をほぼ倍増させています。
顧客事例:
- Agentforce導入顧客事例動画はこちら(英語)。
- Adeccoグループの事例はこちら(英語)、Vivintの事例はこちら(英語)。
- AgentforceとData Cloudの顧客事例はこちら(英語)。
提供時期:
- Agentforce 2.0のリリース完全版は2025年2月に一般提供開始予定で、特定の機能は先行提供されています。日本での提供開始時期は未定です。
- Sales DevelopmentおよびSales Coaching用のスキルは一般提供を開始しています。日本での提供開始時期は未定です。
- Tableau Semantic Layerは一般提供を開始しています。なお、Tableau向けのスキルは2024年12月19日より一般提供開始予定です。日本語のサポート提供開始時期は未定です。
- Agentforce in Slackは2025年1月、Slack Actions in Agent Builderは2025年2月、Slack Enterprise Searchは2025年3月に一般提供開始予定です。日本語での提供開始時期は未定です。
- Agent BuilderのエージェントのNatural language creation(自然言語作成)は、2025年1月より一般提供開始予定です。日本での提供開始時期は未定です。
- MuleSoft for Flow、MuleSoft API Catalog、Topic Centerは2025年2月に一般提供開始予定です。
- 強化された推論機能とRAGは、2025年2月に一般提供開始予定です。日本での提供開始時期は未定です。
詳細情報:
- Salesforce FoundationsでのAgentforceの無償利用に関する詳細はこちら。
- サンフランシスコで開催されるTrailblazerDX(2025年3月5日〜6日)への参加はこちら(英語)。
- 進化を続けるAgentforceの頭脳に関する詳細はこちら(英語)。
- Agentforceがカスタマーエクスペリエンスをどのように再定義しているかを学ぶにはこちら(英語)。
- Agentforce in Slackについての詳細はこちら。
- AgentforceによるROI試算はこちら。
- 2025年の新しいAIエージェント統計はこちら(英語)。
- 新しいAgentblazerとDatablazerのコミュニティへの参加はこちら。
Salesforceについて
Salesforceは、あらゆる規模の企業が AI時代に向けてビジネスを再構築できるよう支援します。Salesforceの信頼性の高いプラットフォームであるAgentforceを利用することで、企業は人とAIエージェントをつなぎ、AI、データ、アクションを原動力としてビジネスを成功に導くことができます。詳細は salesforce.com/jp をご覧ください。
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