世界No.1のAI CRMがChatGPTに直接統合

新たな統合により、OpenAIのフロンティアモデルとSalesforceが両プラットフォームで統一された体験を実現

※本記事は2025年10月14日に米国で公開されたSalesforce and OpenAI Partner Across Enterprise Work and Commerceの抄訳です。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語が優先されます。

米国Salesforce（以下、Salesforce）とOpenAIは本日、戦略的パートナーシップの拡大を発表しました。これにより、Salesforceの「Agentforce 360」とOpenAIのフロンティアモデルを活用した、次世代の従業員および消費者体験が実現します。

この画期的なパートナーシップにより、企業はChatGPT内でSalesforceのAgentforce 360プラットフォームにアクセスできるようになります。営業記録の照会、顧客との会話の確認、Tableauによる可視化などが、ChatGPTにクエリを入力するだけで可能になります。さらに、GPT-5を含むOpenAIの最新フロンティアモデルを活用し、Salesforceプラットフォーム内でAIエージェントやプロンプトを構築できます。新たなコマース体験により、両社のテクノロジーを導入している顧客企業はプロセス、データ、顧客との関係を完全にコントロールしながら、ChatGPT上で数億人の米国潜在ユーザーに販売できるようになります。

SaaSの風景は変わりつつあります。専用のポイント アンド クリック アプリケーションが進化し、マルチサーフェスでAIエージェント主導の会話を包含するようになってきています。このパートナーシップにより、OpenAIのフロンティアモデルと機能、そしてSalesforceのデータ基盤によって強化されたエンタープライズワークフロー（企業内で展開されるあらゆる業務プロセス）をChatGPTとSlackに統合することで、この変化を推進します。両プラットフォームはそれぞれ、週に8億人以上のユーザーと52億件以上のメッセージをサポートしています。これにより、SalesforceとOpenAIの顧客は、自身が使い慣れた作業環境において、強力なエンタープライズグレードのAIを容易に活用できるようになります。

Salesforceとのパートナーシップは、人々が日常的に使用するツールがより連携して機能するようにし、業務をより自然でつながりを感じられるものにするためのものです。これは、われわれの共同の取り組みのもとで、いかにAIが日常のワークフローを改善することができるかを示す重要な一歩です

OpenAI共同創設者兼CEO、サム・アルトマン（Sam Altman）氏

OpenAIの共同創設者兼CEO、サム・アルトマン（Sam Altman）氏は次のように述べています。「Salesforceとのパートナーシップは、人々が日常的に使用するツールがより連携して機能するようにし、業務をより自然でつながりを感じられるものにするためのものです。これは、われわれの共同の取り組みのもとで、いかにAIが日常のワークフローを改善することができるかを示す重要な一歩です」

Salesforceの会長兼CEO、マーク・ベニオフ（Marc Benioff）は次のように述べています。「消費者として、私たちはすでにChatGPTから瞬時のレコメンデーション（推奨）やインサイトを得ています。今や企業も同様のインテリジェンスと即時性を提供できるようになるのです。世界をリードする最先端AIと世界No.1のAI CRMを統合することで、企業がエージェンティック エンタープライズ（エージェント型企業）へと進化するための信頼できる基盤を創出していきます」

世界をリードする最先端AIと世界No.1のAI CRMを統合することで、企業がエージェンティック エンタープライズ（エージェント型企業）へと進化するための信頼できる基盤を創出していきます

Salesforce会長兼CEO、マーク・ベニオフ（Marc Benioff）

両プラットフォームを横断した統合

本日の発表には以下の統合が含まれます。

• ChatGPTでのAgentforce 360 アプリ：SalesforceのアプリケーションはApps in ChatGPT（英語）プログラムを通じて利用可能となり、企業向けインテリジェンス、CRMデータ、Tableauの可視化機能がChatGPTでの会話にシームレスに組み込まれます。
• Instant CheckoutとAgentforce Commerce：Agentforce Commerceは、ChatGPTのInstant Checkoutを支える標準規格であるAgentic Commerce Protocol（英語）と統合されます。これにより、EC事業者は注文・決済・履行・顧客関係を完全に把握しながら数億規模の潜在顧客にリーチする新たな手段を手にすることができます。
• Slack内のChatGPT：Slack用ChatGPTアプリ（英語）により、ChatGPTがSlackに直接統合されました。チームは業務の流れの中で迅速かつシームレスにインサイトを得られ、コンテンツの下書きをし、複雑な会話を要約できるようになります。この統合により、ChatGPT連携ツールから社内のナレッジが組み込まれ、Slackの検索結果も改善されます。
• Slack内のCodex：自然言語による指示に基づいてコードを記述、編集するOpenAIエージェント「Codex」が、Slackチャンネルやスレッド内でタグ付け可能になりました。これにより関連コンテキストを取得し、適切な環境を選択、Codex Cloudで完了したタスクへのリンクとともに返答として提供します。
• Agentforce360プラットフォームにおけるOpenAI：SalesforceはOpenAIの推論、音声、マルチモーダル機能をAgentforce 360プラットフォーム（英語）に統合し、エージェンティック エンタープライズの体験をよりインテリジェントかつ強力なものにします。OpenAIは推奨モデルとしても採用され、Agentforce 360ユーザーはAtlas推論エンジンおよびプロンプトビルダーのデフォルトLLM（大規模言語モデル）として選択可能になります。Agentforce Salesなどのアプリも、より豊かなコンテキスト理解とより高速な分析のためOpenAIフロンティアモデルを組み込むことが可能です。

SalesforceとOpenAIが従業員の働く現場に寄り添う

今回のパートナーシップにより、従業員体験が根本的に変革します。チームが既に共同作業をしている場所で、企業スタック全体への安全かつシームレスなアクセスが可能となり、会話の流れの中でインテリジェントでデータドリブンな作業が実現します。また、この取り組みは既存のパートナーシップ基盤の上に築かれています。OpenAIはサードパーティのChatGPTアプリを展開する最初のエンタープライズプラットフォームとしてSlackを選択しました。

まず、Agentforce Salesから、Salesforceのアプリは権限を持つ従業員に対し、Salesforce CRMデータやTableauビジュアライゼーションへの即時の自然言語アクセスを提供すると同時に、OpenAIモデルの膨大な生成型知能を活用してより豊かなコンテキストと迅速な分析を実現します。

SlackにChatGPTを導入することで、チームは複雑な会話を要約したり、投稿や返信を素早く下書きしたりする力を、業務の流れの中で直接手にすることができます。Slackは開発者がアイデアを議論し、意思決定を行い、主要なワークフローを管理する場です。Slack内のCodexを活用すれば、チームはチャンネルやスレッドで@Codexをタグ付けするだけで、同僚に依頼するかのようにプログラミングタスクを委任できます。

• Slackで作業するプロジェクトマネージャーは、ChatGPTにチームの最新の四半期の結果をまとめた資料を即座に高いレベルで要約させ、適切な関係者に向けてSlackチャンネルで共有できます。

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消費者主導の会話を意図に沿って促進

今回のパートナーシップにより、企業は、顧客が日常的に利用する会話型チャネルで、意図に沿った AI 活用体験を提供しながら、コマースをシームレスに統合することができます。

ChatGPTのInstant CheckoutとAgentic Commerce Protocolによるエンドツーエンドのコマース体験により、Agentforce Commerceを利用するEC事業者は、買い物客がChatGPTで商品を検索した際に、需要を迅速に捉え、購入を促進することができます。

Agentforce CommerceとChatGPTのInstant Checkoutを統合することで、EC事業者は購入意図が発生した瞬間にシームレスで安全な取引を提供できると同時に、統合コストと市場投入までの時間を削減できます。Agentforce Commerceからの商品カタログはChatGPTに表示され、Agentic Commerce Protocol（ACP）とStripeによる埋め込み型チェックアウトによってトークン化されてデータプライバシー規制に準拠した取引が可能になります。これらの機能を組み合わせることで、エージェンティック コマースを実現するためのエンドツーエンドの基盤を確立できます。これにより単一の信頼できるやりとりの中で顧客の購入意図をコンバージョンへと結びつけることができます。

• Agentforce Commerce を利用するスポーツウェアの小売業者は、自社の製品カタログを ChatGPT に取り込み、最新のハイキングブーツをハイキング用品を探している消費者に表示できます。消費者はアプリを離れることなく、Instant Checkout で購入でき、かつ小売店は顧客との関係を維持することが可能です。

提供時期：

• OpenAIフロンティアモデルは本日よりAgentforce内で利用可能です。
• Agentforce 360アプリおよびChatGPT内Agentforce Commerceは今年後半に提供開始予定です。
• ChatGPT & CodexはSlackで利用可能（英語のみ）です。詳細はこちら(英語）をご覧ください。

詳細情報：

• Agentforce 360 の発表については、こちら。
• Dreamforceの最新情報は、こちら（英語）。
• Apps in ChatGPT の詳細は、こちら（英語）。
• ChatGPT のInstant Checkoutについては、こちら。