タスク管理とは?ビジネス上の意味や管理方法、おすすめツールを紹介
タスク管理とは、やるべき作業を整理し、期限や優先度に応じて計画的に進行・管理することです。
日々多くの作業を効率良く処理するには、タスク管理が欠かせません。個人のタスク管理がおろそかになることで、部門全体の進捗に悪い影響を与えてしまうこともあります。
果たすべきタスクにはいくつかの種類があるので、それぞれに合った方法で管理することが大切です。
本記事では、ビジネスにおけるタスク管理の意味や管理方法、メリットやおすすめツールを紹介します。
本記事の要約 |
タスク管理とは、業務上、自分がやらねばならない作業や、その進捗状況を把握し管理することです。自分自身のタスクの管理だけでなく、マネージャーが部下やチームメンバーの作業や、複数人の共同作業であるプロジェクトの進行管理も、タスク管理のひとつです。 タスク管理を行うことで、作業の優先順位が明確になり業務効率化につながります。具体的な方法は、タスクを洗い出す、細分化する、優先度と重要度で分類する、スケジュールを決める、改善や標準化を行うの5ステップです。 タスク管理を行えるツールには付箋やカレンダー、Excel、SFAなどがあります。入力が更新されない、実際の進捗が予定どおりにいかないといった失敗例があるので、時間に余裕を持ってスケジューリングすることが大切です。 |
タスク管理とは?
タスク管理とは、業務上、自分がやらねばならない作業や、その進捗状況を把握し管理することです。自分自身のタスクの管理だけでなく、マネージャーが部下やチームメンバーの作業を管理することや、複数人の共同作業であるプロジェクトの進行管理も、タスク管理のひとつといえます。
どのような業務でも、完了期限や求められるクオリティがあります。それらの条件を満たせなければ周囲に迷惑をかけますし、顧客からの信用を失うことにもなります。そんな事態を防ぐためにも、適切な方法でタスク管理を行うことが重要です。
チームタスクと個人タスク
タスクの種類 | 詳細 |
チームタスク | 社内プロジェクトのように、複数人がまとまって1つの作業を動かしていく、チームプレーの中で果たすべきタスク |
個人タスク | 個人として達成したいプロジェクトを実現するためのタスク |
チームタスクは、チームの中の誰か一人でも自分に課されたタスクをクリアできずにいると、全体の業務がそれだけ遅れることになります。そのため、スケジュールどおりにクリアすることが最も優先されるタスクです。
個人タスクは書籍を書く、新たなスキルを身につけるなど、仕事とは離れた領域にある場合もあります。 チームタスクとは異なり、スケジュール上の縛りはきつくありませんが、それだけについ後回しにしてしまいやすいタスクです。
プロジェクト管理との違い
タスク管理と混同されやすい言葉にプロジェクト管理がありますが、管理の対象や目的が異なります。
タスク管理は、個々の業務や作業を効率的に進めるための管理手法で、主に個人の裁量で進められます。一方、プロジェクト管理は、特定の目標達成に向けて複数のタスクを統合的に管理するもので、進捗・コスト・品質・リソース配分などを含む広範なマネジメントが必要です。
タスクはプロジェクトを構成する最小単位であり、両者は密接に関係していますが、スコープと役割に明確な違いがあります。
ToDo管理との違い
タスク管理とToDo管理の大きな違いは、期限の有無にあります。
タスクは、明確な期限が設定されており、その期日までに完了しなければ他の作業やプロジェクト全体に影響を及ぼす可能性があります。一方、ToDoは「やるべきこと」のリストであり、必ずしも期限が設けられていないケースが多く、優先度も比較的低めです。
そのため、タスク管理は時間管理や進捗管理を含むのに対し、ToDo管理はより簡易的な個人の備忘録的な役割にとどまります。
タスク管理を行う5つのメリット
自分自身あるいはチームが処理するべき作業を整理するタスク管理は、多くのメリットを生み出してくれます。ここでは、おもなメリットを挙げてみましょう。
<タスク管理を行うメリット>
- 作業の優先順位が明確になる
- 業務の効率化が図れる
- プロジェクトの業務内容を把握できる
- やるべき作業を可視化できる
- チームマネジメントに役立つ
作業の優先順位が明確になる
業務の効率化が図れる
プロジェクトの業務内容を把握できる
やるべき作業を可視化できる
チームマネジメントに役立つ
タスク管理は、チーム全体の生産性や連携を高めるうえで欠かせない手法です。各メンバーの担当業務や進捗状況を可視化することで、マネージャーは適切なタイミングでサポートや調整を行えます。
また、チーム内でタスクと目標を共有することで、メンバーの意識を統一し、目標達成に向けた行動がとりやすくなります。作業時間や成果物の質を記録することで、業務改善のヒントや評価の材料にもなり、チーム全体の成長にもつながるでしょう。
タスク管理の方法・やり方5ステップ
ここからは、具体的なタスク管理の方法・やり方を5ステップで紹介します。
- タスクを洗い出す
- タスクを細分化する
- タスクを優先度と重要度で分類する
- スケジュールを決める
- 改善や標準化を行う
タスクを洗い出す
まずは数あるやるべきことを洗い出し、可視化しましょう。頭の中で把握するだけでなく、書き出してリスト化することで、業務の全体像が明確になります。
抜け漏れがないよう、細かい作業までリストアップすることでタスク管理の精度向上にもつながります。付箋やツールを使うと、後の整理もスムーズです。
タスクを細分化する
洗い出したタスクの中に大まかな内容が含まれている場合は、具体的な作業単位に細分化しましょう。たとえば、「競合他社の状況を資料にまとめる」というタスクであれば、以下3つのプロセスに細分化できます。
- 競合他社をピックアップする
- それぞれの状況を調査する
- 資料としてまとめる
1つのタスクを複数の作業ブロックに分割するこのやり方は、「重要ではあるが緊急ではない」タスクを処理するときに有効です。緊急性が低いタスクは、つい後回しにされがちですが、作業を細分化して、隙間時間に入れ込むことによって放置されることを防ぎ、タスクを少しずつ進めていくことが可能になります。
タスクを優先度と重要度で分類する
タスクに優先順位をつけていく分類方法もあります。 数多くのタスクを抱え込んでしまうと、どれをどの順序でこなしていけばいいのか混乱してしまいます。そんなとき、この方法でタスクを分類しておくと、「今すぐ手掛けるべきタスク」が一目瞭然になります。
<重要度と緊急度による分類の仕方>
- 重要度と緊急度を軸にしたマトリクスを作る
- 4つのスペースそれぞれに、タスクを入れ込む
この分類方法では、今あるタスクが「緊急かつ重要」「緊急ではあるが、重要ではない」「重要ではあるが、緊急ではない」「重要でも緊急でもない」の4つに分類されます。こうして、緊急度の高いタスクから処理していきます。

スケジュールを決める
タスクを細分化したら、それぞれに適切な期限を設定し、スケジュールを組み立てましょう。作業にかかる時間や担当者の稼働状況を踏まえたうえで、無理のないスケジュールを立てることが重要です。
カレンダーやガントチャートを活用すれば、タスクの進行状況が視覚的に把握しやすくなります。また、急なトラブルに備えてバッファ(予備時間)を設けておくと、スケジュールに柔軟性が生まれ、遅延リスクを減らせます。
改善や標準化を行う
タスク管理は一度実行して終わりではなく、定期的な振り返りと改善が不可欠です。計画通りに進まなかった理由を分析し、進捗状況やスケジュールのズレをもとに改善策を検討しましょう。
特に有効なのがPDCAサイクルの活用です。以下の流れを繰り返すことで、管理手法の質を高められます。
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(評価)
- Act(改善)
成功したプロセスは標準化し、再現性を持たせることで、チーム全体の業務効率も安定して向上していきます。
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タスク管理に使える4つのツール
タスクを内容によって分類したら、次は「どのように管理するか」です。これにはアナログとデジタル、両方のやり方がありますが、それぞれに特徴やメリットがあります。
管理すべきタスクの性質や作業の流れなどによって、最も管理しやすい方法を選ぶようにしましょう。
<タスク管理に使えるツール>
- 付箋
- カレンダー
- Excel
- SFA
付箋
PCのモニターの周囲にびっしりと付箋が貼りついているという光景は、まだまだ多くのオフィスで見られます。実にアナログな方法ですが、個人的なタスクを管理するには、これで十分という人も多いでしょう。
また、チーム作業の場合にも、個々の作業内容を記した付箋をホワイトボードに貼り、作業の進捗に合わせて「ToDo」「Doing」「Done」とステータスを移動していくというやり方も広く用いられています。
カレンダー
Excel
工事工程表のように、複数のスタッフがいつからいつまで、どのような作業を行うかを表したものがガントチャートです。縦軸に作業担当者、横軸に作業期間が入り、プロジェクト全体の進行の中で「いつ誰が、どんな作業をどれほどの期間をかけて行うのか」が視覚的にわかるため、どこで作業が滞っているかもすぐにわかります。
ただし、Excelでガントチャートを作成した場合、進捗の遅延や前倒しがあった場合に、チャートの修正に手間がかかるという難点があります。
SFA
タスク管理でありがちな4つの失敗例と成功のポイント
せっかく「タスク管理をしよう!」と意気込んで始めてみても、実際にやってみると思うようにいかないことはよくあるものです。失敗から多くを学ぶことはできますが、失敗せずに済めば、それに越したことはありません。
最後に、タスク管理におけるありがちな失敗例と、その対策についてまとめました。
<タスク管理のありがちな失敗例>
- 入力が更新されない
- 実際の進捗が予定どおりにいかない
- 設定したタスクがなかなか片づかない
- 急なタスクが割り込んできた
入力が更新されない
SFAのToDo機能など、せっかく優れたツールが用意されているのに、それをチェックしない、あるいは必要事項を入力しないというのは、管理以前の問題です。場合によっては、「タスクの存在を忘れてしまう」ということも起こります。
まずは紙に手書きでもいいので、自分の手でタスクをテキスト化する習慣をつけましょう。
実際の進捗が予定どおりにいかない
設定したタスクがなかなか片づかない
緊急度の低いタスクは、得てして進まない状況に陥りがちです。これは、緊急度の低さゆえに、明確な期限を切っていないからではないでしょうか。
「手の空いたときにやっておけばいい」というタスクは、意外と多くあるものです。しかし、これらのタスクにも期限を設けておかないと、ダラダラと先延ばしになったあげく、手つかずのまま放置されることになります。
こうしたタスクは細分化して、「いつまでに、ここまでは進めておく」と決めておくのも大切でしょう。
急なタスクが割り込んできた
急なタスクが発生することは、まさに日常的に起こっているはずです。そんなときにどう対応するかは人それぞれ。また、手掛けているタスク・割り込んできたタスクの内容によっても違うでしょう。しかし、あらかじめルールを設定しておけば、いざそのときになって迷わずに済みます。
たとえば、「10分以内で終わるタスクが割り込んできたら、その場で対処する」などと決めておけば、効率良くタスクを処理していくことができます。
自分なりの方法で確実なタスク管理を
タスクの数と量が増えてくると、時間の配分が難しくなりますし、取りこぼしの危険性も高まります。個人的なタスクならまだしも、チーム内でのタスクの取りこぼしは、全体の進捗にブレーキをかけることになってしまいます。
そうしたことにならないよう、自分に合ったツールと方法で、適切なタスク管理を行ってください。

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