ERPとCRMの違いとは?それぞれの役割や導入するメリットを解説

 
最終更新日:2024.3.4

ERPとCRMは、コンセプトや機能の面で重複する部分があるため、混同されることが多く、「どちらを導入するべきか」と迷われることも多いようです。

ERPとCRMそれぞれの機能・特性を活かした使い方があるため、どちらが必要なのかを見極めて導入することが大切です。

ここでは、ERPとCRMの違いと、それぞれが持つ役割について解説します。

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ERPとCRMの違いとは?

ERPとCRMは以下のような違いがあります。
 
用語 意味 機能・用途
ERP(統合基幹業務システム) 「企業資源計画」と呼ばれ、経営資源の「ヒト・モノ・カネ」を管理 販売・生産・人事などの情報を管理し、経営資源の最適化を図る
CRM(顧客関係管理システム) 顧客情報の一元管理とコミュニケーション全般の情報を蓄積 蓄積された顧客情報から、顧客との関係性の向上・維持を図る
ERPとCRMは連携することも可能です。連携によって営業戦略の精度向上や効率化につなげられます。

ERP(統合基幹業務システム)とは?

ERPとは「Enterprise Resource Planning」の略で、日本語では「企業資源計画」と呼ばれます。

経営に必要な資源である「ヒト」「モノ」「カネ」を管理し、経営戦略にもとづいた計画を立て、効率良く配分していくことです。

効率的に経営戦略を実現するためのシステムもERP、あるいは「統合基幹業務システム」と呼ばれています。

ERPの機能や用途について、以下で詳しく紹介します。

ERPのコンセプト

多くの企業では、経営資源としての「ヒト」「モノ」「カネ」は、以下のように別々の部署で管理されています。

  • 従業員についての情報は人事
  • 製品や在庫については生産管理や在庫管理
  • 資金については財務や経理

以上のように別れており、それぞれ個別のシステムやツールを使って管理しています。

ERPはバラバラに管理されている経営資源の情報を、一元管理する環境を提供します。

情報の一元管理によって、企業内の資源状況を俯瞰でき、効率的な配分が 可能になります。

ERPの基本的な機能

ERPによく搭載されている機能は以下のとおりです。
 
機能 概要
販売管理
商品・サービスの受注や出荷、請求などの情報を一元管理
生産管理 生産・調達計画などの製造プロセスを管理
在庫・物流管理 商品の在庫状況や物流情報を管理
人事管理 従業員の保有資格や給与、労務関連の情報を管理
財務・会計管理 収支・負債の財務情報や、経費などの会計情報を管理
資産管理 保有する機器やシステムの減価償却などの資産管理
ERPで経営資源に関する情報を管理することで、すべての部署で最新情報を共有できます。

ERPのおもな用途

ERPの使い道は、一言でいえば「経営資源の最適化」です。

人事や財務、会計など各部署のシステムで管理していたものを1つのERPに統合することによって、全体を見渡したうえで経営資源を再分配できます。

経営陣が自社の抱える経営課題を把握し解決するためには、ERPが大きな力となるでしょう。

ERPを導入する3つのメリット

ERPを導入するメリットには、主に以下の3点があります。

  • 経営資源に関するすべての情報を一元管理
  • リアルタイムで情報共有でき迅速な経営判断が可能
  • 部門間で情報共有ができ業務効率化を実現

「経営判断の迅速化」と「業務効率の向上」は、営業活動を成功へと導き、企業の競争力強化にもつながるでしょう。

それぞれのメリットを解説していきます。

経営資源に関するすべての情報を一元管理

ERPを導入するメリットの1つは、企業内の経営資源に関するすべての情報を一元管理できることです。

管理する経営資源の情報には、販売データや在庫情報、生産計画などがあり、ERPの導入によって総合的かつリアルタイムに情報を管理できます。

たとえば「顧客の注文履歴や在庫状況をリアルタイムに把握して、ニーズに合わせた提案や迅速な納品をする」といった活用が可能です。

さまざまな情報が一元管理されることで、どの部署でも同じ情報を取り扱えるため、データの誤入力や誤情報の共有などのヒューマンエラーも抑えられます。

リアルタイムで情報共有でき迅速な経営判断が可能

ERPを導入することで経営資源情報の一元管理が可能になり、欲しい情報をリアルタイムで確認できます。

経営に関する重要な数値をシステム上で一覧化しておけば、経営者は常に自社の状況を把握でき、スピーディな経営判断が可能です。

たとえば、需要の急増に対応するために生産計画を調整したり、在庫不足に対処するために供給網を強化したりすることもできます。

経営判断の迅速化は、企業の競争力強化にもつながるため、ERPは経営効率を改善するための重要な手段の1つです。

部門間で情報共有ができ業務効率化を実現

さまざまな情報を部門間で共有して業務の効率化ができることも、ERP導入によるメリットの1つです。

ERPは商品の受発注から従業員の労務関連までさまざまな情報が管理されており、部門の壁を越えて必要な情報にアクセスできます。

たとえば、コールセンターのスタッフが顧客から急ぎの注文を受けたとしましょう。その際、在庫管理の担当者に直接聞かなくても、ERPで在庫状況を把握できるようになります。

無駄なコミュニケーションコストが削減でき、スピーディな顧客対応が可能です。

企業全体の業務が効率化されることで、コスト削減や顧客満足度の向上にもつながります。

ERPのデメリット:正確なデータ入力・整理が必要

ERPには導入するメリットがある一方で、正確なデータ入力や整理が必要になるデメリットも存在します。

導入前に別々で管理していた情報を一元化する際に情報を精査して正確に入力する必要があります。

ERPに誤情報が入力されていた場合、経営判断のミスや顧客方とのトラブルに発生するリスクがあり、信用低下にもつながりかねません。

間違ったデータを入力しないためにも、担当者への事前研修やデータ管理プロセスの確立が重要です。

CRM(顧客関係管理システム)とは?

CRMとは「Customer Relationship Management」の略で「顧客関係管理」とも呼ばれます。

CRMは顧客に対して良好な関係を築き、満足度を高めてLTV(顧客生涯価値)の最大化を狙う概念や戦略のことです。

顧客との良好な関係を実現するために活用されるツールもCRMと呼びます。

近年、数多くのビジネスツールがクラウドサービスとして提供されるようになりましたが、ERPとCRMもそのツールのひとつです。

ERPとCRMには共通する機能も多くありますが、別の目的のために作られたもので、同一視はできません。

CRMの機能や用途について、以下より詳しくご紹介します。

CRMのコンセプト

CRMは顧客との関係を管理することを目的としています。

顧客情報を一元管理するだけでなく、自社と顧客とのコミュニケーション全般の情報を蓄積し、徹底した顧客管理が行えるよう設計されています。たとえば、連絡先の確認、メールやソーシャルメディアを通じたフォローアップ、タスクの管理、売上状況のチェックなどを、1つのアプリケーションの中で行えます。

※参考:決定版CRM入門ガイド

CRMでは顧客との関係が始まる初期の段階から、優良顧客となった後までと長い範囲のカバーが可能です。

CRMの基本的な機能

CRMは以下のように顧客情報を主体とした管理機能があります。
 
機能 概要
顧客情報管理
顧客の基本情報や商談の履歴情報などを管理
案件管理 案件の取引先や進捗状況、取引額などの情報を管理
ワークフロー管理 業務のタスク・進捗・承認などの営業プロセスを管理
配信機能 顧客へのメール配信や開封率・クリック率の検証を行う機能
問い合わせ管理 顧客からの問い合わせを記録・蓄積する機能
データ分析機能 蓄積された顧客情報から顧客の行動や趣向などを分析する機能

CRMは顧客情報を一元管理するだけでなく、自社と顧客とのコミュニケーション全般の情報を蓄積します。

CRMによっては以下のようなツールの機能も実装されています。

  • MA(マーケティングオートメーション)
  • SFA(営業支援システム)
  • CTI(コンピューター電話統合システム)

CRMによって実装されている機能が異なるため、自社の導入目的や予算に合ったものを選ぶことが大切です。

CRMのおもな用途

CRMは、顧客との関係性を向上・改善・維持するために用いられます。

しかし、ツールの機能としては、顧客情報と自社とのコミュニケーション情報を蓄積・管理するデータベースに過ぎません。

CRM本来の力を発揮させるためには、顧客情報のデータをいかに活用するかが大切です。

データの入力そのものは機械的な作業ですが、特定の切り口でデータを抽出し、分析するには人の判断が欠かせません。

CRMを存分に活用するには、「蓄積されたデータをどのように分析し、活動に落とし込むか」のスキルも必要です。

CRMを導入する3つのメリット

CRMを導入することで、おもに以下の3つのメリットが得られます。

  • 顧客情報を一元管理して生産性が向上
  • 業務の属人化を防ぎチームの連携が強化
  • 顧客満足度が高まり自社の利益アップ

「顧客満足の向上によるLTVの最大化」がCRMの目的であり、達成のためには「顧客情報の共有化」と「営業活動のチームプレイ」が欠かせません。

それぞれのメリットを解説していきます。

顧客情報を一元管理して生産性が向上

CRMを導入するメリットの1つは、顧客情報の一元管理によって業務を効率化し、生産性を向上させることです。

CRMの導入によって顧客の基本情報や取引情報などを、どの部署からでも確認できます。

たとえば、取引履歴や顧客の要望から「顧客の特性に合ったアプローチを検討し、新規商談やサービス提供を行う」といった判断が可能です。

CRMのデータベースからは、営業活動に必要な情報・データがいつでも取得できるため、業務効率化にもつながります。

業務の属人化を防ぎチームの連携が強化

顧客情報を一括管理・共有することで、属人化の防止とチーム連携の強化が可能です。

ある担当者しか知らない情報をCRMでデータ化することで、部門内での共有が可能となり「営業担当者のお客様」から「セールス部門のお客様」に変化します。

属人化による弊害は特定の従業員しか業務の進め方を把握しておらず、問題やトラブルが起きた際に対応が遅れることです。

CRMを導入することで、担当者が不在の場合でもチームとして顧客対応が可能となり、社内の連携も強化されます。また『決定版CRM入門ガイド』で詳しく解説していますが、CRMを活用すれば重要な顧客情報を管理し一元的に把握できるようになるため、情報の属人化が解消され、マネージャーが営業担当者への適切なアドバイスやサポートを行うことができるようになります。

顧客満足度が高まり自社の利益アップ

顧客への効果的なアプローチによって満足度が高まり、自社の利益がアップすることもメリットです。

蓄積された情報から顧客の好みやニーズを分析できるため、顧客が求める商品・サービスの提供につながり、顧客満足度も高まります。

顧客満足度が高まることで、商品・サービスのリピート購入にもつながり、自社の利益アップの効果も期待できます。

CRMの情報は社内でも共有できるため、各部門で最新情報を取得したうえで、より顧客ニーズにマッチしたアプローチの検討も可能です。

CRMのデメリット:導入効果が現れるまでには時間が必要

CRMには導入から効果が現れるまでに一定の時間がかかってしまうデメリットがあります。

CRMの導入直後はシステムの構築や従業員のトレーニングに時間を要し、既存データの移行や業務プロセスの整備も必要です。

社内の業務体制が整ったとしても、CRM導入による「顧客満足度の向上」や「商品の売上アップ」の効果は、すぐには成果につながりません。

CRMへの情報蓄積と顧客へのアプローチを継続し、長い視点での運用が重要です。

 
 

CRM初心者向けガイド

 
CRMが必要な企業の特徴やビジネスに役立つ理由、CRM戦略の立て方から自社に適切なCRMの見極め方まで、CRMを最大限活用するためのポイントを余すところなくご紹介します。

ERP・CRMと混同しやすいシステムとその違い

ERPやCRMと似たようなものにSFAやSCMシステムがあり、それぞれ以下のように異なります。
 
用語 概要
SFA(営業支援システム) 営業メンバーの行動管理や商談管理を行い、営業活動の効率化を図るシステム
SCMシステム(供給連鎖管理システム) 調達・製造・加工・在庫管理・物流・販売のサプライチェーン全体を統括するシステム
以下を読んでERP・CRMとの違いを把握しましょう。

SFA(営業支援システム):営業活動を組織化・効率化

SFAとは営業メンバーの行動管理や商談管理をするツールのことで「営業支援システム」とも呼ばれています。

営業業務の中でも商談管理を得意としており、以下のような情報の管理や把握ができます。

  • 商談の進捗状況
  • 契約額の目安
  • 成約の確度

導入することで商談に対する営業担当者のアクションが明確になるうえに、部門全体のフォロー体制の構築も可能です。

営業活動のスケジュールやタスク管理も効率化できることから、組織力の強化にもつながります。また、営業活動やその結果を管理しやすくなるのはもちろん、属人性の強い営業業務のノウハウを標準化することにも役立ちます。ノウハウの共有によって、営業メンバー間のスキルや経験差が小さくなると、営業部門全体の底上げも可能です。

参考:いまから始める営業支援システム

SCMシステム(供給連鎖管理システム):製造から販売までを管理

SCMシステムは「供給連鎖管理システム」と呼ばれ、製造から販売までのサプライチェーンを統括的に管理するシステムです。

おもにSCMシステムでは、以下のようなプロセスを管理しています。

  • 調達
  • 製造・加工
  • 在庫管理・物流
  • 販売

SCMの大きな目的は需要と供給のバランスを予測して、ムダのない生産管理をすることです。

製造から販売までスムーズな連携が可能となるため、需要予測の精度も向上し、在庫の適正化と売上の最大化を実現できます。

過剰な在庫管理と物流のムダを減少させられ、コスト削減にもつながります。

ERP・CRMをそれぞれ導入してできること

ERPとCRMはどちらも経営課題を解決するためのツールです。

しかし、それぞれコンセプトの異なるツールであるため、導入によって「できること」にも違いがあります。

ERPとCRMでできることの違いについて解説しますので、システムを選ぶ際の参考にしてみてください。

ERP:部署を越えた経営課題を解決できる

ERPは企業内の情報管理に特化した「内向きのツール」です。

企業の経営資源を管理するツールであるため、基本的に顧客は登場しません。

CRMの機能を備えたものもあるため、顧客管理もできる場合がありますが、ERP本来の役割は経営資源の一元管理です。

自社が持っている人材・資金・製品などの情報が「どこにどのように配分され、使われているのか」が明確になります。

情報の明確化により、余剰資金が活用されないまま寝かされていたり、人員配置に偏りがあったりという不適切なバランス配分の可視化ができます。

不適切な配分に対し、部署を越えて経営資源の最適化を図ることで経営課題の解決が可能です。

ERPを導入すると、経営資源に関わるあらゆる情報が1か所にまとめられ、各部署が必要に応じてデータを参照・引用することになります。

企業全体の情報が1つのデータベースに統合されることで、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールを活用した、より精密なデータ分析から経営に活かすことも可能です。

CRM:顧客関連の営業課題を解決できる

CRMは自社と顧客との関係性にフォーカスした「外向きのツール」です。

機能面ではマーケティングを扱うMAや、営業支援を行うSFAと重複する部分があります。

MAやSFAとの連携によってさらに活用範囲を広げることもできますが、顧客の存在を抜きに語れません。

CRMではマーケティングからアフターセールスまで、顧客との接点で得られた情報を管理します。

適切に管理することで、顧客満足度を向上させるための対策を見つけられるでしょう。

CRMを十分に活用すれば、顧客に関連するあらゆる課題や問題を発見できます。

「見込み顧客を案件化し、商談中の失注をできるだけ減らし、成約率を高めてリピート率を上げる」上記のような顧客ありきの営業課題を、CRMで改善・解決できます。

ERPとCRMのどちらを導入するべき?

ERPとCRMは以下のように導入目的で選ぶことをおすすめします。

  • 社内情報の最適化と幅広い分析をするなら「ERP」
  • セールスを効率化し売上を伸ばすなら「CRM」

それぞれのシステムの目的や機能を踏まえて、おすすめの理由を紹介します。

社内情報の最適化と幅広い分析をするなら「ERP」

社内の複数部門で管理されている情報を整理し、全体を最適化したい場合にはERPが適しています。

たとえるなら、ERPは家庭で家計簿をつけるようなものです。

何にいくら使っているのかを可視化すれば、収入と支出のバランスも明確になります。

収支の可視化によってお金の使い方を変え、ムダ遣いを減らして貯蓄に回すという調整が可能です。

ERPは「ヒト」「モノ」「カネ」の経営資源を、最適なバランスでの再配分が可能になります。

自社の企業活動に関するあらゆる情報が蓄積されており、幅広い領域での分析ができるため、経営状態の正確な把握や経営判断に活かせます。

営業活動を効率化し売上を伸ばすなら「CRM」

営業活動を効率化して売上をより伸ばす必要がある場合は、CRMの導入が適しています。

営業部門は利益を生み出す企業の最前線であり、利益増大のために顧客満足度の向上が欠かせません。

企業の提案や製品に対して顧客が不満を抱いている場合は、商談が失注する可能性があります。

CRMは顧客との継続的な関係性を築けるので、失注するリスクを抑えて売上向上につなげられます。

決定版CRM入門ガイド』で詳しく解説していますが、最適なCRMを導入すれば、売上は目に見えて向上します。さらに、成約を増やして売上を伸ばし、売上予測の精度を高めることもできます。

CRMはMAやSFAとの連携も可能であり、顧客との関係が始まる初期の段階から活用すれば、より効果的な戦略の立案や施策の提案ができるようになるでしょう。

 
 

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ERPとCRMを連携するメリット

ERPとCRMを連携することで、以下のような効果が得られます。

  • 営業・経営戦略の両軸で売上アップにつなげられる
  • ERPとCRMの顧客情報の重複を避けられる
  • 各部門で情報が確認でき業務効率化を実現できる

それぞれのメリットを解説していきます。

営業・経営戦略の両軸で売上アップにつなげられる

ERPとCRMの連携によって営業戦略と経営戦略を同時に強化し、自社の売上向上につなげられます。

ERPの経営資源に関する情報から、経営陣が戦略的な意思決定を行います。

同時にCRMで管理する顧客の購買履歴やニーズの情報から、効果的な営業戦略を検討し、顧客ごとの最適なアプローチが可能です。

ERPとCRMを連携した戦略の相乗効果によって顧客満足度がさらに向上し、商品やサービスの売上アップにつなげられます。

ERPとCRMの顧客情報の重複を避けられる

顧客情報の重複を回避してデータの一貫性を確保できることも、ERPとCRMを連携するメリットの1つです。

ERPとCRMを独立したシステムで運用していると、それぞれで管理している顧客情報が重複してしまいます。

ERPは企業全体の統合したデータを管理するシステムで、顧客情報も管理できるためです。

それぞれ連携することでデータの重複を防げるため、分析の精度向上や誤情報によるトラブル回避につながります。

各部門で情報が確認でき業務効率化を実現できる

ERPとCRMの連携によって各部門でリアルタイムに情報を共有でき、業務効率が向上します。

たとえば「ERPで商品の在庫情報を確認したうえで、CRMの顧客情報をもとに最適なタイミングで商品を提供する」といった、効率的で成約につながりやすいアプローチが可能です。

連携によって受注から発送までのシームレス化もできます。新規の受注情報をCRMで入力するとERPで受注情報が共有され、すぐに在庫管理や生産計画の最適化が図れます。

商品の受注から発送までのプロセスを自動化でき、ヒューマンエラーの軽減にもつなげられるでしょう。

ERPとCRMの連携方法|API連携・CSV連携

ERPとCRMの連携をするには、主に以下の2つの方法があります。
 
連携方法 概要
API連携 複数のシステムをつなげるAPIで機能の一部やデータを連携する方法
CSV連携 CSV形式のデータファイルで連携する方法

API連携は、ERPとCRMが双方でデータをやり取りするため、リアルタイムかつ効率的なデータ共有ができます。

しかし、API連携するにはプログラミングなどの技術的なスキルが必要です。

CSV連携はテキストファイルの操作で比較的容易に連携できますが、API連携のようなデータ共有の自動化が困難です。

API連携とCSV連携の特徴を理解して、自社の運用に合った方法を選択しましょう。

Salesforceでは外部のデータソースとAPI連携できる「Einstein 1 Platform」を提供しています。

システムの再構築は必要なく、既存システムと連携するだけで利用できるので、ぜひお試しください。

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ERPとCRMの必要性を見極めて導入しよう

企業が抱えている課題はさまざまです。

課題解決のために各種ITツールを導入するなら、目的に合ったツールを使うことが重要です。

ERPとCRMの両ツールともに、現代の企業活動において大きな効果を発揮します。

今の自社にとって必要なものはどちらなのか見極めてから導入し、存分に活用してください。

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