ファンとの一期一会を無駄にせず、満足度を88%まで高めるFormula 1®
Formula 1®がファンの数を3倍に増やし、長期にわたるエンゲージメントを確立した方法をご紹介します。
オープンホイールレースで有名なFormula 1®は、会社自体もレースカーのようなスピードで成長しています。2019年のNetflixシリーズ「Drive to Survive(邦題: 栄光のグランプリ)」のテーマとして取り上げられた結果、米国ではこのモータースポーツ競技のテレビ視聴率が3倍近くに伸びました。視聴者が増えただけでなく、視聴者の構成も変わりました。Formula 1®を視聴する15億人の中で、若年層や女性など、予想外の新たな視聴者が加わり、これまでにない高い比率を占めるようになりました。
今後の展開次第では、これと同じような目覚ましい成果が見られるかもしれません。現在、Formula 1®は、急上昇したこの人気を、長期にわたる持続的な成長とロイヤルティに変換する方法を模索しています。その成否を左右する大きな鍵となるのが、パーソナルな体験です。たとえば、お気に入りのチームのガレージの真上で観戦できる最前列の席や、チームのドライバーが表彰台で被ったキャップをレコメンドするメールなど、さまざまな展開が考えられます。
こうしたファンエンゲージメントには、セールスとサービスの緊密な連携が必要であり、従来のスプレッドシートでは不可能です。Salesforce Customer 36Oを導入することで、Formula 1®はまるで顧客一人ひとりのピットクルーになったかのようなパーソナライズができるようになります。
顧客データを共有し、Salesforce Data Cloudからパワフルなインサイトをリアルタイムで得ることで、セールス、サービス、マーケティングの各担当者は、統制されたスピードと一貫性でファンを満足させることができます。その実践方法をご紹介します。
“全世界で5億人以上ものファンの人物像を把握し、その数を増やし続けるにはどうすればいいのでしょうか?その答えは、パーソナライズされたジャーニーであり、Always-on(常時オン)の体制です”
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1.セールスとサービスのデータを接続することで、88%のファン満足度を達成
Formula 1®のCRMおよびカスタマーオペレーションズ担当シニアマネージャーのMatthew Kemp氏は、セールスとサービスを受け身的なコールセンターではなく、ファンのニーズを予測できる体制にしたいというビジョンを掲げていました。
「私たちは、プロセス、テンプレート、問題解決のスピード、ツールを改善し、チームのナビゲーションも見直しました」とKemp 氏は語っています。「その結果、担当者はより多くの知識を獲得し、ファンは速やかに回答を得ることができます」
現在では、F1®ファンがFormula 1®コミュニティページのセルフサービスで、F1® TVやブランドのライブGrand Prixストリーミングサービスのログインやストリーミングに関する問題を報告できるようになりました。
自動チャットボットと高度なプロセスにより、エージェントは一貫性を保つことができ、初回コンタクトでの解決率も86%に達しています。Formula 1®のサービス担当者は、新たな問い合わせに翻弄されることなく、未解決のケースに余裕を持って対応できます。その結果、2022年は過去4年間よりも多くのファンとやりとりできるようになり、満足度も2018年の70%から2022年後半の88%に上昇しています。
初回コンタクトでの解決率
ファンの満足度
現在、Formula 1®の社内チームは、Salesforceを使用して日々のコミュニケーションを管理し、全員が理解できるセールスプロセスを構築しています。担当者が同じ情報にアクセスできるため、見込み客がセールスサイクルのどの段階に達しているのか、どのパートナーがそれぞれのイベントを担当するのかを明確に把握できます。さらに、サービスデータを同じプラットフォームに接続することで、セールスチームはファンに関して以前よりも深いインサイトを得てパートナー候補と共有し、大規模な成長につなげることができます。
2.ファンのお気に入りのドライバーをベースに完璧なレコメンデーションを作成
ファンの反応は、F1® TV、マーケティングメール、レース当日のポップアップストア、ソーシャルメディアなど、Formula 1®チャネルごとに異なるため、以前は分断された一貫性のないブランド体験となっていました。
データを手にしているにもかかわらず、Formula 1®は対面での対応とデジタル対応をすり合わせて適切なインサイトを得ることができず、絶好のタイミングでファンにアピールできませんでした。
Customer 36Oを導入したことで、Formula 1®のセールス、サービス、マーケティングのデータが1か所に統合され、サーキットでも、画面でも、メールでも、ファンとパートナーが一貫した体験を得られるようになりました。
データを有意義なやり取りに変換するData Cloudにより、Formula 1®は、保有するファンデータをリアルタイムで接続し、ファン体験を改善して顧客ロイヤルティを確立しています。
第8回マーケティング最新事情レポートのご案内
全世界6,000人のマーケターからインサイトを得て、数兆件のアウトバウンドマーケティングメッセージを参照できます。
- 変化するトレンド
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フォームにご記入いただくと、デモとライブラリの全コンテンツをご覧になれます。
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3.「可能性は無限大」の精神でファン層を拡大
Formula 1®はその場限りのパーソナライズのビジョンを独力で追求するのを止め、Salesforce Professional Servicesを導入し、究極のファン体験、望ましい未来、そのビジョンを世界中で実現するためのテクノロジーの明確なロードマップを共同で作成しました。
エキスパートからのガイダンスを得て、わずか5か月で本番稼働にこぎつけました。Marketing Cloud Engagement、Personalization、Data Cloud for Marketingを利用することで、Salesforceのエキスパートは、以下の方法でFormula 1®が新たなファンにアピールし、ロイヤルティを向上できるように支援しました。
- 既存のファン基盤を分析し、分類して、既知のファンやコンタクト可能なファンの数を増やす
- パーソナライズされたメールやプッシュ通知をレース観戦者に送信する
わずか5か月で本稼働へ
「F1®には5億人以上のファンがいますが、毎年グランプリを観戦する人の割合は1%未満です」と、コマーシャルリレーションシップ責任者のZarah Al-Kudcy氏は語っています。「レース観戦のアクセスを容易にし、エンゲージメントの機会を拡大する必要があります。私たちは、さまざまなタッチポイントのデータを検証し、Salesforceとともにエンゲージメントの最大化に努めています」
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4.データを駆使することで、ネットゼロ炭素排出量目標を2030年までに達成
最大の炭素排出源の1つが、ファンのイベント会場への移動です。Net Zero Cloud は、予測と削減レコメンデーションにより、排出量の監視を支援します。将来的には、データをMarketing CloudなどのCustomer 360ツールと接続し、より持続可能な移動方法のヒントをファンにメールで配信する構想もあります。