更別村役場

地域の未来を変えるデジタル化
住民を起点にした自治体DXの実践

「デジタル田園都市国家構想」TYPE3に採択された更別村の地域DX。
サービス連携のカギとなる住民CRMをSalesforceで構築

 

更別村について

十勝平野の南部に位置する北海道更別村。村の総面積の約7割が農地であり、農家1戸当たりの経営面積は約50ヘクタール、食料自給率はカロリーベースで6800%と日本最大規模を誇ります。しかし、他の自治体同様、高齢化と産業人口の減少の課題に対応するため、かねてよりデジタル化を推進。近年では、デジタル田園都市国家構想(TYPE3)に採択された「更別スーパービレッジ構想」に取り組んでいます。同構想の一環として、行政手続きの電子申請やオンライン施設予約などを実現する「デジタル公民館」をSalesforceで構築。単なる手続きのオンライン化ではなく、さまざまな住民サービス連携のカギを握る「住民CRM」実現を念頭に、将来的には住民一人ひとりにパーソナライズされたサービス提供を目指しています。
 

“デジタル化をしてもサービス連携ができなければ意味がありません。そのためには内製化と横展開が重要です。ノーコード・ローコードで構築できる柔軟性と拡張性も優れているSalesforceに注目していました。”

今野 雅裕 氏

更別村役場
企画政策課参事 スーパービレッジ推進室長

5Gの通信インフラを整備し、高齢者の移動支援やスマート農業などデジタル化を進める 更別村では、他システムと連携する住民CRMの構築を目指しています。その第一歩とし て、「デジタル公民館」における電子申請とオンライン施設予約を実現しました。

 

昨年 1 年間でのオンライン施設予約を実現

Salesforce選定の理由

行政の電子申請や施設のオンライン予約などを進めて、住民の利便性向上や役場の業務効率化を実現していく「デジタル公民館」。Service Cloudを中心に、住民ポータルとバックエンドシステムのシームレスな連携を実現しています。住民CRMを目指す更別村では、国内外で豊富な実績を有する永続性のあるプラットフォームであることを条件にSalesforceを選定しました。

Salesforce導入の進捗と効果

  • これまで行政手続きは役場窓口でしか対応できず、特に高齢者は役場に出向いての申請が難しいなど課題がありました。「デジタル公民館」により、現在50の行政手続きの電子申請を可能にしました。内製化がしやすいSalesforceを活用したことで、最終的には押印を廃止できる500件の行政手続きすべてを電子申請に切り替える計画です。

  • 施設予約はこれまで紙ベースの申請書で管理されており、利用者にとっての利便性が乏しく、また業務担当者にとっては申請書のデータ入力、複雑な利用料金の減免ルールの洗い出し、報告書作成などで業務負荷が大きくなっていました。これを改善するため、業務プロセスの見直し(BPR)を実施し、Salesforceの活用を通じて、業務負荷のかかっていた部分を改修・変更しました。その結果、業務効率の向上が実現しました。さらに、将来的には利用者の属性データを分析し、ターゲットを絞ったイベントの企画や、パーソナライズされた案内を行うことで、施設の利用促進につなげる予定です。

  • Salesforce導入の目的は、単なる電子申請や施設予約ではありません。住民を起点にサービスを提供する「住民CRM」の実現です。また、住民のサービス利用状況などを可視化することで、データにもとづく政策立案に役立てる考えです。デジタル公民館をポータルに、住民一人ひとりにあったサービスをベストタイミングでパーソナライズして届ける行政サービスを標榜しています。

  • 現在、デジタル公民館では、利用者の548名にSalesforceに紐づく住民IDが付与されています。今年度中には普及率85%のマイナンバーカードとSalesforceの連携を進めることも計画されています。マイナンバーカードの仕組みを認証基盤として活用することで、給付金の支払いなども住民CRMをベースにプッシュ型で進めていく予定です。

Salesforceの優位性

  • 内製化を見据え、ノーコード・ローコードの特性と標準機能が豊富なSalesforceを選定
    住民サービスは個別で展開しても意味はないと考える更別村では、内製化を見据えノーコード・ローコードの強みを持つSalesforceを導入しました。さらに、導入時には標準機能を最大限活用し、カスタマイズは最小限に抑えることが重視しされています。パートナー企業ウフルによるテンプレート化の工夫もなされ、職員のデジタルリテラシーを問わない内製化と運用負荷の軽減が進められています。

  • データ連携に重要な強固なセキュリティと柔軟な権限設定
    更別村では、Salesforceによる住民CRMと、すでに進行してきたMaaSサービスや民間事業者と展開する決済サービスなどを連携させ、さまざまなデータの一元管理を進めていく予定です。SalesforceはSaaSとして担保された強固なセキュリティと柔軟に展開できる権限設定・ロール設定機能が備わっているため、スピーディなシステム連携に役立てられています。

  • デジタル人材の確保と自治体間連携について
    デジタル人材の不足から行政でも企業からの人材受け入れなどの対策を講じていますが、根本的な解決には至っていません。更別村ではSalesforceのメリットの一つ、横展開のしやすさから、自治体間での連携によるサービスの共有化を見据えています。人材不足、コストメリットに貢献するほか、災害時の避難所などのエリアの壁を超える地域連携などが想定されています。

  • 誰ひとり置いていかないためのAI活用
    高齢者を含めた住民の誰ひとりも取り残さずにデジタル化を進める更別村では、高齢者にスマートフォンを配布し使いこなすための講習会にも力を入れています。住民サービスのUX(ユーザーエクスペリエンス)を向上させるためにも、音声認識によるAIの導入。また、対話型AIアシスタントであるSalesforce Einstein Copilotを活用した行政業務の効率化に取り掛かっています。

 
  • 今年度にはデジタル公民館における24時間稼働の診療所予約システムを実装
    現在、診療所予約は対応時間が限られる中、Service Cloudを活用した24時間診療所予約システムをデジタル公民館に組み込むことを検討。高齢者が多いことからAmazon Connectによる音声認識と組み合わせ自動予約を構想しています。将来的には予約時には同時にコミニティバスの自動予約や買い物支援なども組み込む想定です。更別村では住民CRMを基盤に持続可能な自治体としてDXを推進します。

デジタル公民館は、Salesforce PSS(Public Sector Solutions)認定パートナー企業である株式会社ウフルが実装を担当。
自社サービスのCUCON(キューコン)とSalesforceを利用し構築、住民ポータルとバックエンドシステムを連携し、パーソナルデータとポータルサイトからの申請者・内容のシームレスな連携を実現しています。
 
 
 
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〜詳細インタビュー記事はこちら〜
人口3000人の農村がリードする自治体DX
更別村の挑戦
 
Salesforceを活用し、住民の利便性向上や行政の業務効率化、「住民CRM」の構築に取り組む更別村。各種サービス連携と一人ひとりに寄り添ったプッシュ型行政サービスの実現に向けた取り組みに迫ります。
※ 本事例は2024年8月時点の情報です
 

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