マーケティングオートメーション(MA)とは?基本から選び方のポイントまでをわかりやすく解説

 
最終更新日:2025.3.24
 
 

カルデラ 久美子

株式会社セールスフォース・ジャパン 常務執行役員
マーケティング統括本部 デマンドジェネレーション本部 本部長

マーケティングオートメーション(MA)とは、マーケティング活動を自働化する仕組みやツールのことです。

マーケティングにおけるリードの獲得や育成(ナーチャリング)を仕組み化し、多くの見込み顧客に効率良く適切なアプローチを行うことが目的です。

この記事では、マーケティングオートメーションの概要や導入メリット、SFAやCRMとの違いまでをわかりやすくご紹介します。

本記事の要約

マーケティングオートメーション(MA)とは、企業のマーケティング活動を自動化し、顧客との関係を効率的に構築・管理するためのツールです。見込み顧客の獲得から育成、購買促進までを一元的に管理し、マーケティング業務の効率化を実現します。

MAの主な機能には、メール配信の自動化、Webサイト訪問履歴の分析、リードスコアリング、キャンペーン管理、CRMとの連携などがあります。これらの機能により、顧客の興味や行動に応じた適切なアプローチが可能になります。

導入のメリットとしては、リード育成の効率化、マーケティングと営業の連携強化、顧客データの一元管理、業務の自動化による生産性向上などが挙げられます。適切な活用により、売上向上や顧客満足度の向上が期待できます。

MAを選ぶ際は、自社のビジネスモデルに適しているか、必要な機能が揃っているか、操作性やサポート体制が充実しているか、コストと導入効果のバランスが取れているかを考慮することが重要です。

 
 
 
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マーケティングオートメーション(MA)とは?

マーケティングオートメーション(MA)とは、マーケティング活動の自動化を意味する概念、またはそのためのツールを指す言葉です。ツールを指す場合は「MAツール」といいますが、縮めて「MA」と表記される場合もあります。

MAが得意とするのは、リード(見込み客)獲得から商談に至るまでの業務効率化です。加えて、営業活動の評価・改善のためのツールとしても活用できます。MAを活用したPDCAサイクルを組めば、事業のスピーディーなブラッシュアップも期待できます。

さらに、MAによってマーケティング活動が効率化されれば、担当者のリソースをシナリオ作成やリードの精査といった、本当に注力したい部分に集中させることもできます。ただその一方でMAはツールであり、マーケティング施策の実行をサポートする手段の一つにすぎません。まずは会社としてマーケティング戦略を決め、それをもとに各施策の設計に落とし込むことが重要です。

参考:はじめる前に読んでおきたいマーケティングオートメーション成果を上げる5つのポイント

 
 
 
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マーケティングオートメーション(MA)が求められている背景

企業が業界の中で競争力を維持し長し続けるためには、効果的なマーケティング活動は必要不可欠です。

しかし、伝統的な手動のマーケティング手法では膨大な量の顧客や市場のデータを処理・分析しなければならず、一人ひとりの顧客との接点を最適化することは困難でした。ここに、マーケティングオートメーション(MA)が注目される理由があります。

MAは、技術の進化とともに生まれた革新的なツールであり、デジタルマーケティングの効率性とパーソナライズ化(お客様一人ひとりへの個別化)を実現するために求められています。

データを用いて顧客行動を分析し、自動化されたプロセスを通じてターゲットとなるユーザーに対して的確なコミュニケーションを行ったり、プロモーションを提供したりすることが可能です。

的確なコミュニケーションにより効果的な顧客エンゲージメントやリード生成が可能となり、マーケティングの成果を向上させられます。『はじめる前に読んでおきたいマーケティングオートメーション成果を上げる5つのポイント』では、MA導入で失敗しないために導入前に知っておくべきポイントを5つにまとめています。MA導入を成功させて効果を上げる方法を紹介していますので、ぜひお役立てください。

BtoB事業でMAが求められる背景・理由

BtoB事業では、商談から受注に至るまで、長い購買サイクルのなかで複数の意思決定者が関与することが一般的です。

BtoB事業においては、MAを活用することで見込み顧客の行動データの収集から、リードスコアリング(商談確度の判定)やリードナーチャリング(顧客へのフォローアップ)までを効率的にすすめることができるため、営業部門に優先順位の高いリードを提供できます。

購買プロセスの各段階に合わせ、自動化されたメッセージの配信やタスク管理もおこなえるため、一人ひとりの顧客に対して迅速かつ的確なフォローアップが行われ、顧客との関係を強められます。

BtoC事業でMAが求められる背景・理由

BtoC事業においては、顧客に継続的に商品・サービスを購入してもらったり、顧客ロイヤルティを高めることがが重要な課題です。

デジタル化の影響で顧客の購買行動や顧客接点(タッチポイント)が多様化し、企業は顧客ロイヤルティを向上させるため、膨大なデータを分析したうえで顧客にアプローチする必要が高まっています。よって、これまで以上に効果的かつ効率的なマーケティング手法が求められています。

BtoC事業においてMAを使用することで、顧客の行動データや購買履歴など大量のデータをMAが処理、分析し、顧客の嗜好や行動に個別化されたアプローチをおこなうことで顧客との長期的な関係を構築することができます。

たとえば優良顧客への特別なオファーやクーポンの送信、顧客の誕生日や記念日のお祝いメッセージなど、顧客を大切にする取り組みをMAで自動化することで、現場への負担を増大させずに顧客満足度を向上させられるのです。

マーケティングオートメーション(MA)ツールの機能

マーケティングオートメーション(MA)の機能は、ツールの種類やBtoB・BtoCの違いで多少異なりますが、基本的な機能はほぼ同じです。ここでは、おもな機能をいくつか解説します。

  • リード管理
  • スコアリング
  • キャンペーン管理
  • One to One メール配信
  • コンテンツ管理
  • 分析レポート
  • SFA/CRMとの連携

1)リード管理

リード管理とは、いろいろなコンタクトポイントで得たリード(見込み顧客)の情報を管理する機能です。

たとえば、以下のような情報をひとつのIDに紐づけて一元管理します。

  • 氏名、所属や役職
  • Webサイトへのアクセス情報
  • 資料請求の履歴
  • セミナーの申込み履歴
  • 名刺交換リスト
  • 流入のルート
  • 行動履歴

MAを使えば、これらの情報を一括で管理・共有できます。

2)スコアリング

スコアリングとは、管理しているリードの行動を数値で評価し、成約見込みの推測を補助する機能です。対象となる行動には、メールの開封や自社サイトへの訪問回数などがあり、エンゲージメントが高いほどスコアが高くなり成約率が高いと推測されます。

スコアリングを活用することで、商談中の顧客に接触するタイミングを最適化できます。展示会後や研修後などでフォローするタイミングの見極めも可能です。また、スコアが高い見込み客から優先的にアプローチしたり、より興味がありそうな内容を盛り込んだアプローチをすることで、フォローの質を高めて商談化率を向上させることができます。

参考:SaaS ビジネス成功の基礎「The Model」

3)キャンペーン管理

キャンペーン管理とは、リードを商談へと導くためにマーケティング施策をタイミングよく実施する機能です。

キャンペーンには主に以下のような施策が含まれます。

  • メルマガやDMの配信
  • セミナーや展示会などのイベントの案内
  • 商品の無料体験の提供

実施のタイミングはリードの属性や行動履歴を考慮し、条件を満たしたときに実施されるように設計することができます。

4)One to One メール配信

One to Oneメール配信とは、顧客の属性や興味に応じてカスタマイズしたメールを送る機能です。個別に具体的なコンテンツを提供することで、成約率アップが期待できます。配信対象はフィルタリング可能なため、配信タイミングのカスタマイズも可能です。

メール作成を補助するテンプレート機能や、フィルタリングを補助する分析レポート機能なども搭載されています。複数の機能を組み合わせることで、リソースを節約しながら顧客一人ひとりに合わせたメールを作成できます。

5)コンテンツ管理

コンテンツ管理とは、メールやソーシャルメディア、LP(ランディングページ)など、さまざまなプラットフォームのコンテンツをまとめて管理する機能です。

たとえば、複数プラットフォームの同時更新や既存コンテンツの更新作業やリンクチェック、新規コンテンツの作成補助などの機能が搭載されています。

6)分析レポート

分析レポートとは、MAツールで実施したマーケティングに関するデータを分析し、レポートとして出力する機能です。代表的なレポートの例としては、顧客の行動分析データやスコアリングデータを利用した傾向の分析、複数のデータを掛け合わせた相関の分析などがあります。

データの分析を手作業で実施しようとすると、人材や時間など多くのリソースを必要とするため、これらを自動化できるのはデジタルツールならではのメリットです。

7)SFA/CRMとの連携

MA・SFA・CRMはそれぞれ担当する分野が異なりますが、お互い連携させることでその効果が高まります。分野ごとに特化したツールを連携させながらゴールを目指すことで、より効率的かつ効果的な営業活動が可能です。

ツールの連携を活用した例に「ザ・モデル」という概念があります。ザ・モデルでは営業プロセスをマーケティング、インサイドセールス、外勤営業、カスタマーサクセスの4フェーズに分け、それぞれのフェーズにおける成果を次に引き継ぎながら目標の達成を目指します。

各フェーズの成績が最終的なフェーズに影響するため、MA・SFA・CRMを用いて各フェーズのパフォーマンスを上げれば、最終的な成績も向上するわけです。

ザ・モデルは、営業プロセスを可視化できるため、強みや弱みの発見にも役立ちます。この概念を学んでおくことで、MA・SFA・CRMをより効果的に活用できるようになるでしょう。

 
 
 
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マーケティングオートメーション(MA)とSFA、CRMの違いとは?

マーケティングオートメーション(MA)と関連するツールに、SFA(営業支援システム)とCRM(顧客関係管理)があります。3つのツールは、いずれも営業分野に用いられますが、それぞれ担当する領域が異なります。ここでは、MA、SFA、CRMの目的と役割について解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

MA:マーケティング活動の効率化

MAのおもな目的は、マーケティング活動の自動化および効率化です。担当する領域は、おもにリード獲得から商談に至るまで。効率的なリード獲得やリードナーチャリング(顧客の育成)などを通じて、成約率向上に寄与します。

MAの機能には、リード管理機能やスコアリング機能、メールの作成・配信、分析・効果測定などがあります。

SFA:営業活動の効率化

SFAとは「Sales Force Automation」の略で、日本語では「営業支援システム」と呼ばれています。SFAが担当する領域は営業活動の管理で、メンバー間での情報共有や顧客情報の一元管理を通じて、営業活動の効率化を目的としています。

おもな機能には、案件管理機能や活動管理機能、顧客管理機能などがあります。

CRM:顧客情報の管理

CRMとは「Customer Relationship Management」の略で、日本語では「顧客関係管理」と呼ばれています。CRMの担当分野は、顧客管理や顧客との関係構築などです。顧客の行動履歴や自社との関係性などを整理・分析して顧客とのより良い関係の構築を目的としています。

おもな機能には顧客情報管理やメッセージの配信機能、問い合わせ管理やデータ分析機能などがあります。

マーケティングオートメーション(MA)のメリット

マーケティングオートメーション(MA)には主に以下のメリットがあります。

  • リードナーチャリングの効率化
  • 属人化の解消
  • One to Oneマーケティングの実現
  • マーケティングと営業活動の連携
  • 営業担当者の負担軽減

MAの導入に悩んでいる方はぜひお読みください。

リードナーチャリングの効率化

MAにより見込み客に関する情報の入手や高度な分析が可能になり、リードナーチャリングを効率化できます。

リードナーチャリングは適切な情報を適切なタイミングで見込み客に提供することが重要です。通常は大量のコストと手間がかかりますが、MAを使うことで投下するリソースをおさえつつも、効果的なアプローチができるようになります。

参考:リードナーチャリングとは?実践的な手法とメリット・デメリットを紹介!

属人化の解消

MAを使用すれば、特定の営業担当者に頼らなくても適切な顧客管理ができるようになります。

これまでは営業担当者が抱えていた情報を社内全体で共有しながらマーケティング・営業活動ができるため、引き継ぎが容易になります。個人の力量に頼らずに会社全体の売上を伸ばすことも可能です。

One to Oneマーケティングの実現

MAにより、One to Oneマーケティングも容易に実現できます。

One to Oneマーケティングとは、顧客ごとにカスタマイズしたマーケティング活動のことです。1人ひとりのニーズや購買履歴に合わせて提案内容や提供する情報を変えるため、通常は大量の人材が必要です。

MAを利用すればOne to Oneマーケティングも自動化可能なため、人手の少ない中小企業でも実施しやすくなります。

 
 
 
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マーケティングと営業活動の連携

MAを導入すると、マーケティング部門と営業部門の連携がしやすくなります。

MAを導入する際は、営業の初期段階を以下にはっきりと切り分けます。

  • 集客
  • 選別
  • 育成
  • 商談

各段階がしっかりと線引きされることで、マーケティング部門と営業部門の業務範囲の明確化が可能です。どの担当者がどの情報を持っているのか、どの程度顧客にアプローチしているのか迷うことがないため、マーケティングと営業活動の連携もスムーズになります。

営業担当者の負担軽減

見込み客の育成をMAで行うことで、営業担当者の負担は軽減され、より商談に集中しやすくなります。

適切なタイミングでメルマガやニュースを配信するなど、見込み客の育成が自動化されれれば、営業担当者が抱える業務の削減が可能です。MAにより十分育成された状態で営業担当者が商談に臨むことにより、成約率のアップが期待できます。

マーケティングオートメーション(MA)を選ぶときのポイント

マーケティングオートメーションを導入する際には、導入目的を明確にした後、次のようなポイントをもとに比較検討を行いましょう。

ビジネスモデルとの適合性

自社のビジネスモデルがBtoBかBtoCかによって、適したMAツールは異なります。BtoBの場合、リードナーチャリングを重視し、スコアリングや営業部門との連携機能が重要です。一方、BtoCでは、ターゲティング精度の高いメール配信やSNS連携、購買データの活用が求められます。自社のマーケティングに適した機能があるかを確認しましょう。

操作性と運用のしやすさ

多機能なツールでも、操作が複雑では活用が進みません。操作が直感的で扱いやすいか、マーケティング担当者がスムーズに運用できるかを確認しましょう。無料トライアルが提供されている場合は、実際に試して使いやすさをチェックするのがおすすめです。また、過不足のない機能構成であるかも確認し、業務負担を増やさないツールを選ぶことが大切です。

サポート体制

導入後のサポートが充実していることも選定時の重要なポイントです。特に、初めてMAツールを導入する場合、トラブル対応や運用サポートが手厚いベンダーを選ぶと安心です。日本語でのカスタマーサポートの有無、FAQの充実度、導入支援プログラムの有無などを事前に確認し、スムーズな運用を実現できるかを見極めましょう。

コストと規模のバランス

MAツールには無料プランから高機能な有料プランまでさまざまな選択肢があります。導入費用や月額料金だけでなく、運用にかかる人的コストや追加機能の料金も考慮し、事業規模に合ったプランを選びましょう。また、事業成長に伴って機能をアップデートする余地があるかなど、拡張性についても確認します。
 
 
 
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BtoBとBtoCにおけるマーケティングオートメーション(MA)の活用事例

BtoBとBtoCそれぞれのMA活用事例を紹介します。現在、自社が抱えている課題や問題と照らし合わせ、ぜひ参考にしてください。

B2C事例 お客様の一生モノの買い物 “住宅” の購入タイミングを見逃さない仕組みへ

 
会社名:殖産ベスト株式会社
事業内容:不動産

東京、吉祥寺に本店を置く不動産会社の殖産ベスト株式会社では、MAツールのAccount Engagement(旧 Pardot)SFAツールSales Cloudを同時に導入し、営業担当者1人あたりの売上を業界平均の1.6倍まで引き上げることに成功しています。

両ツールはDX化の中心施策として、2017年6月から導入されました。まず、従業員が個人管理していた情報が一元化され、全店舗の情報をリアルタイムで把握することが可能になりました。さらに、物件データの登録もツールを活用し、事務作業は大幅に減少。結果、残業はほぼゼロになり、営業担当者1人あたりの売上平均は約4,000万円と、業界平均の1.6倍まで増加しました。

さらにSales Cloudに蓄積されたデータをAccount Engagement(旧Pardot)で活用し、顧客のフィルタリングやナーチャリングを実施。週に5パターンのメールマガジンを発行し、顧客によってアプローチを変えました。これにより、メール経由の売上貢献額は約1,000万円から4年で約7,500万円まで増加しています。

B2C事例 MA導入で未フォロー客への手厚いフォローを実現

 
会社名:トヨタホーム株式会社
事業内容:住宅販売

住宅メーカーであるトヨタホーム株式会社では、MAツールのMarketing Cloudと自社開発CRMを組み合わせることで、パートナーであるディーラーの顧客をフォローアップするプロセスを実現しました。

同社は元々DX化に取り組んでいて、2020年にはWebサイトをリニューアル。Webサイトから獲得した顧客情報を担当ディーラーに自動で振り分け、各ディーラーが対応する仕組みをとっていました。このプロセスの中で顧客との関係を管理するためにCRMが必要になり、自社でCRMを開発。メーカーとディーラー両方の意見を取り入れたことで、納得感の高いツールに仕上がりました。

しかし、CRMにはMA機能が搭載されておらず、これを補うためにMarketing Cloudを導入。CRMに蓄積された顧客情報をベースに「未フォロー顧客をなくす」という目的を掲げ、リードナーチャリングに取り組みました。その結果、キャンペーンに申し込んだ顧客に対するメールは開封率40%以上、リンククリック率5%以上を実現するに至りました。

B2C事例 顧客ごとに最適化した情報発信で体験価値を向上

 
会社名:株式会社オンワードパーソナルスタイル
事業内容:衣料品の企画・製造・販売

オーダーメイドブランドを展開する株式会社オンワードパーソナルスタイルは、Salesforceを活用した「顧客カルテ」を導入し、次につながる体験価値の提供に成功しています。

採寸データや購入履歴などの基本的な情報のみならず、接客を通じて取得した各顧客の特性や嗜好など、顧客に関するあらゆるデータをService Cloudに一元化・可視化しました。来店のきっかけやスーツの着用用途、好みの色などのアンケートデータもひと目で把握できるため、担当スタッフでなくても、顧客の購買傾向や嗜好を踏まえた的確な商品を提案できます。

さらに、購入後の顧客体験価値の向上を目指し、Marketing Cloudも活用しています。顧客の属性や購入回数、購入金額などでセグメンテーションし、シナリオを組んでメールを出し分けられ、顧客ごとに最適化した情報発信が可能になりました。

B2C事例 配信ごとの反応の違いを解析して開封率がアップ

 
会社名:日本航空株式会社
事業内容:航空事業・地域事業・マイレージ事業

日本航空株式会社では、顧客とのメールによるコミュニケーションを改革するためにMarketing Cloudを導入しています。

以前は社内の複数の部署がそれぞれのリストからメールを送っていたため、1日で同じ顧客に複数のメールが届くこともありました。現状の改善のため、Marketing Cloudですべての顧客情報を統合し、より多く読まれた好感度の高いメールを制作した部署が配信頻度を高められるように改革しました。

結果、メールのコンテンツを読者の興味に適合させたものに改善すること、ターゲットを絞り込んで開封率を高める取り組みを活性化させることに成功したのです。

Web販売部では開封率がメールの開封率が4~5%アップし、クリック率も0.1~0.2%向上しました。

B2B事例 生産性が2倍向上し見込み客・問い合わせが10倍

 
会社名:株式会社マーケティングデザイン
事業内容:広告代理店

株式会社マーケティングデザインは、営業に関する個人の知識やノウハウなどの ナレッジマネジメントが目的でSales Cloudを導入しました。

バラバラに管理されていた顧客情報や行動履歴など、営業に関する全データをSales Cloudに入力。その結果、適切な行動管理にもとづく営業活動が可能になり、社員1人当たりの生産性が2倍に向上しました。また、新人でもSales Cloud内の過去の成果物などを見て短期間で営業ノウハウを学べるようになり、研修期間が従来の6分の1に短縮されました。

さらに、見込み客の育成のためにAccount Engagement(旧 Pardot)を導入し、マーケティングの自動化と効率化を進めています。

  • 見込み客ごとにカスタマイズしたメールの配信
  • Web上での見込み客の動向のリアルタイムな把握
  • 上記にもとづく最適なタイミングでの営業活動

結果、見込み客の数は一気に10倍以上に増加。問い合わせを受けて顧客を訪問した件数も、年間20件程度から、2016年に185件、2017年には214件と10倍以上に跳ね上がりました。

B2B事例 ナーチャリングの強化でウェブ集客数は3.3倍、商談数は4.4倍に

 
会社名:株式会社atsumel
事業内容:ウェブマーケティング、集客コンサルティング、インターネットメディア事業

株式会社atsumelはもともとお客様情報や商談情報を店舗ごとに紙やExcelで管理していました。フォーマットや更新頻度がまちまちなため正確性・即時性に欠け、グループ全体の経営状況が不透明でしたが、そうした状況を改善すべく導入したのがSales Cloudです。Sales Cloudの導入により、顧客・商談・物件・売上など、経営判断に必要な情報をリアルタイムで精緻に把握できるようになりました。

また、予算の主な投下先を従来のチラシや雑誌広告からWeb広告に切り替えると同時にAccount Engagement(旧 Pardot)も導入。Web広告に関する問い合わせがあれば、まずインサイドセールスがその情報をSales Cloudに入力します。次に、Account Engagementで見込み客のWeb上での行動を追跡して興味関心を把握します。効果の高いコンテンツ配信のシナリオに沿ってアプローチし、アポ取得までこぎつけました。

結果、Web広告への移行による投資の最適化によって、2014年に月間1,560万円だった宣伝広告費は、2017年にはその51%の800万円まで削減。にもかかわらず、Web経由の集客数は、同年比で348件から1,178件と3.3倍に急増しました。さらに、商談数が同年比で129件から573件と4.4倍に跳ね上がりました。

マーケティングオートメーション(MA)を活用して業務を効率化しよう

マーケティングオートメーション(MA)は、さまざまな機能を備える、高いポテンシャルを秘めたツールです。単体での運用はもちろん、SFAやCRMと連携することで、顧客獲得やLTV(顧客生涯価値)向上などをより効果的に実現できるでしょう。

そのためにも、MAを始めとしたデジタルツールを理解し、知識とノウハウを蓄積することが重要です。MAに何ができるか、何ができないのかをきちんと理解し、マーケティング戦略、営業戦略に役立ててください。

なお、SalesforceのMA「Marketing Cloud」は、リアルタイムで一人ひとりに合わせた顧客体験の提供を可能にします。

顧客のあらゆるデータを統合し、AIが最適なマーケティング戦略を提案します。下記からデモ動画の視聴ができますので、マーケティングを効率的に実施したい方はぜひご覧ください。

 
 
 
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監修者

 
 

カルデラ 久美子

株式会社セールスフォース・ジャパン 常務執行役員
マーケティング統括本部 デマンドジェネレーション本部 本部長

経歴:

BtoB領域におけるマーケティング戦略立案・実行を主とし、製造、半導体、IT、化学などさまざまな業種の大手外資系企業のマネジメントに従事した後、2017年Salesforce入社。大手から中小企業、業種別アプローチなどあらゆるキャンペーンモデル生成と販売パイプラインの醸成をミッションとしたセグメントキャンペーン、コーポレートイベント、デジタルマーケティング、マーケティングオペレーション&アナリティクスチームを牽引。

Salesforceのベストプラクティス“The Model”を体現し、営業、マーケティング面での組織体系化による顧客発掘のKPIを担う責任者。

 

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