フィッシャーアンドパイケル社
フィッシャーアンドパイケル社は高級品にふさわしい高レベルなサービスを提供
高級家電メーカーが生産性を高めながら、人間中心の顧客体験をどのように実現しているのかご確認ください。
フィッシャーアンドパイケル社は、製品と同様に上質な利便性の高いパーソナライズされた顧客体験を提供しています。さらに、自動化とセルフサービスの拡大により、1か月当たり3,300時間を節約しています。
導入製品
フィッシャーアンドパイケル社について
フィッシャーアンドパイケル社が抱えていた課題
分断されたデータが非効率を生み、魅力的な体験の実現が困難になっていた
フィッシャーアンドパイケル社は、人間を中心に据えた家電メーカーとして世界一を目指すという目標を掲げています。その体験を実現するために、従業員はより優れたツールと情報へのアクセスを必要としていました。以前は、担当者が顧客の履歴や過去のやり取りをまったく把握できなかったため、顧客はコールセンターに問い合わせても効率が悪く、不満を感じていました。また、サービス技術者に出張修理を依頼すると、その不満がさらに高まりました。技術者がいつ到着するかわからないので、半日以上自宅で待機しなければならなかったからです。
一方で、小売業者、設置業者、デザイナーなどの顧客は、フィッシャーアンドパイケル社との連携方法の質と利便性の改善を望んでいました。たとえば、オンラインでいつでも在庫を確認して発注できる体制にしてもらえれば、翌営業日まで担当者からの電話連絡を待つ必要がなくなります。
Salesforceの解決法
信頼できる唯一の情報源が顧客中心の体験の土台となる
効率的でパーソナライズされた体験を提供するために、フィッシャーアンドパイケル社は一元化した顧客情報を軸にチームを統合しました。営業、サービス、マーケティング部門は、顧客の過去の購入履歴や現在の注文内容を把握し、対応中のサポートケースとともに、担当者やフィールドサービス技術者との過去のやり取りの概要も確認できるようにしました。さらに、オンラインで閲覧している製品など、顧客の購入シグナルも参照できます。
すべては、Sales Cloudが小売業者、設置業者、デザイナーをサポートするために必要なデータを集約することから始まります。その結果、営業担当者は手作業の情報収集に時間をかけずに生産的な顧客対応に集中できます。
Sales Cloudは、コラボレーションをシンプルにする新しいPartner Relationship Management(PRM)ソリューションもサポートしています。Experience Cloud上に構築された取引ポータルにアクセスすれば、設置業者や他の再販業者も在庫確認できます。CPQをポータルに組み込むことで、複数の製品の見積りをすばやく正確に作成し、リアルタイムで発注して追跡できます。
小売顧客に同様のメリットをもたらすのが
Commerce Cloud Order Managementです。Salesforce Professional Serviceのサポートを得て導入するこのソリューションでは、在庫管理や配送などのアクティビティも自動化されます。
その結果、注文ごとに発生する30分間の手作業から解放され、Commerce CloudのROIもわずか6か月で回収できました。
こうした成果を総合的に踏まえ、フィッシャーアンドパイケル社では自動化の改善やB2B業務のセルフサービス化を通じて、1か月当たり最大3,300時間を節約できたと見積もっています。そこで生まれた時間は迅速でパーソナライズされたサポートを消費者に提供するために活用されます。
Rudi Khoury氏
サブスクリプション管理で顧客の利便性と会社の収益予測を改善
サブスクリプション管理の導入により、シームレスな購入体験も実現しました。
顧客は、フィッシャーアンドパイケル社のコネクテッド電化製品を管理するためのアプリなど、複数のチャネルを介して浄水器などの製品のサブスクリプションを申し込むことができるようにしました。すべての取引データはSales Cloudに送られ、顧客の購入とサブスクリプションの全体像が構成されます。
今では、サブスクリプションと1回限りの購入を選択肢として提示されたフィッシャーアンドパイケル社の消費者の3割 がサブスクリプションを選択するようになりました。サブスクリプションのメリットは顧客の利便性向上だけではありません。企業側も収益の計画性と予測性を改善できるという恩恵を享受できます。
Rudi Khoury氏
カスタマーサービス担当者のサポートがよりスマートでパーソナライズされたものになり、トレーニング時間が76%短縮
Service Cloudを導入することで、フィッシャーアンドパイケル社は、よりスマートでパーソナライズされたサービスを世界中の顧客に提供できるようになりました。メーカーのコールセンターテクノロジーと統合したため、担当者は通話後に顧客のインサイトを瞬時に確認できます。その結果、直近の担当者から引き継いでも会話を継続し、顧客に同じ説明を繰り返してもらわずに済むようになりました。
サービス担当者は、通話中にField Serviceを使用してオンサイトサービス技術者を予約することもできます。訪問前日の夜には顧客に予約確認が自動送信されるので、顧客は記載されているリンクから技術者の到着を追跡できます。
技術者の訪問作業が完了すると、顧客にフィードバックフォームが送信され、実際に受けたサービスを評価してもらうことができます。評価が理想のレベルに満たない場合は、新規ケースが作成され、企業側で状況を確認して問題を解決できます。
このようにさまざまなサポートプロセスが新しくなることにより、顧客のサービス体験が一変します。同じことを何度も説明したり、技術者が到着するまで待機する必要がなくなり、時間を浪費せずに済むようになりました。また、担当者は全世界の顧客に対して同じプロセスで対応できるようになり、担当者1人当たり平均9か月かかっていたトレーニング時間も3週間まで短縮することができました。
AIがオンラインでの問い合わせの30%を解決
フィッシャーアンドパイケル社の次の開拓は、AIを利用して自動化とパーソナライズをさらに発展させることです。すでにEinsteinエージェントを使用してよくある質問に応答し、技術者の訪問が必要な問題を識別しています。現在、AIを活用したエージェントは、これまでライブチャットで対応していたクエリーの30%を解決しており、カスタマーサービス担当者はより複雑なケースに専念できるようになっています。
Data Cloudで未使用データを有効活用し、顧客インサイトを充実化
フィッシャーアンドパイケル社はData Cloudの導入も進め、コンサルティングパートナーのSLEEQとともに数週間でソリューションの展開を完了しました。最終的にはData Cloudを顧客インサイトのメイン情報源とし、営業、サービス、マーケティングでよりパーソナライズされたやり取りを実現したいと考えています。
その第1歩として、WebサイトのすべてのCRM、コマース、エンゲージメントデータをData Cloudに取り込み、Marketing Cloudを使用することで、高度にパーソナライズされたマーケティングセグメントを構築しました。さらに、Webサイトの特定の製品ページの閲覧など、顧客の購入シグナルをきっかけとして自動化ジャーニーを開始できるようにもなりました。
ターゲットを絞り込んだコミュニケーションが可能になったフィッシャーアンドパイケル社はメールの送信数を増やして目覚ましい成果を上げています。2023年には、ユニーク開封率で206%増を、ユニーククリック率で112%増を達成しました。
専門家のガイダンスで成功への道筋が明確化
こうした強化を確実に進めるために、フィッシャーアンドパイケル社は、Salesforce Signature Successチームの支援で、Hyperforceへと移行しました。その結果、Salesforceアプリを展開・拡張するための強力で拡張性に優れたアーキテクチャが構築されました。
フィッシャーアンドパイケル社のSignature Success Planには、担当のカスタマーサクセスマネージャー(CSM)のガイダンスとサポートが含まれているので、同社のビジネスをしっかり理解しているCSMから、これまでのSalesforceへの投資を最大限活用するための支援が得られます。
Khoury氏は、CSMからのガイダンスと支援を得ることで、自信を持ってSalesforceの機能を限界まで利用できるようになったと振り返ります。
Rudi Khoury氏
3,300時間
自動化とセルフサービスによって
削減された月あたり作業時間
30%
Einstein エージェントによる
お問い合わせ対応の割合
6
Commerce Cloud Order Managementの
ROI達成にかかった期間(月数)