世界経済フォーラム
データの連携が世界経済フォーラムのリーダーの議論やプログラムに大きく貢献
世界経済フォーラムは64システムをダウンタイムなしで統合し、メンバー体験の改善に成功しました。
世界経済フォーラムは、分断されたデータシステムの接続、カスタムアプリの構築と管理、成功の追跡などをすべてSalesforce Platformに集約し、グローバルなイベント、レポート、イニシアチブをサポートしています。
導入製品
世界経済フォーラムについて
世界経済フォーラムが抱えていた課題
大規模なイニシアチブには複数のシステムから取得したデータが必要
世界経済フォーラムは、ダボスなどの年次イベントを主催し、世界中の民間・公共部門のリーダーが一堂に会してグローバルな問題について論じる場を設けています。また、組織は1年を通じてレポートやイニシアチブを公開し、健康の公平性や再利用可能な資源など、さまざまなトピックの議題を提供しています。ステークホルダーの活動拡大を支援するために、リソースへのアクセスやコラボレーションをサポートするオンラインプラットフォームの「フォーラムスペース」を提供しています。
世界経済フォーラムのプログラムは大規模で多岐にわたるため、イベントロジスティクスから、モバイルアプリやマイクロサイトまで、デジタルのあらゆる面に配慮した慎重なデータ管理が求められます。以前は、こうした作業をメール添付やスプレッドシートで処理していましたが、時間がかかり、ミスも発生していました。しかし、データをこうしたシステムに接続するには、広範なITバックエンド作業が欠かせません。世界経済フォーラムは、時間やリソースをあまり消費せずにデータを統合してアプリを管理できる標準的な手法を必要としていました。
Salesforceの解決法
MuleSoftでシステムデータを接続し、スムーズなメンバー体験を実現
現在、世界経済フォーラムでは MuleSoft ですべてのデータを接続しています。そのため、イベント予約、メンバー管理、コミュニケーションなどのシステムから得たデータを1か所で照合できます。2023年には、64システムの統合を断行してゼロダウンタイムで完了。全メンバーの体験を改善しました。
MuleSoftによってセキュリティ層も追加され、データのセキュリティを確保しながらCCPAやGDPRなどのプライバシー法への遵守体制を確立しています。 そのデータフローにおいて、機密性の高いデータにはSalesforce Shield で暗号化とアクセス制御を施しています。
標準化された統合アプローチを導入した現在、新しいフォーラムシステムの情報も他の統合されたシステムで見ることができるようになりました。人事システムのWorkdayと他の7アプリとの統合もその一例です。この統合に費やした期間は、わずか4か月でした。以前のプロジェクトから再利用したAPIとMuleSoft Anypoint API Designerにより、 Anypoint Studioから速やかに導入を進めることができました。
新しいアプリはHerokuで速やかに構築して実装
フォーラムスペースなどのオンラインコミュニティプラットフォームは、大半がHeroku上で構築されており、モバイルアプリAPIはHeroku上ですべて動作しています。 連絡先情報や名前などのデータはHeroku Connect で取得するので開発が容易です。データをSalesforceから移動せず、安全かつアクセス可能な方法で「ミラーリング」することで、新しいアプリを簡単に構築できます。そのため、正確なデータにもとづいて権限管理、ユーザーインターフェース、その他の機能をカスタマイズできます。
世界経済フォーラムの開発者は、Herokuを使用して120を超えるサイトやアプリを構築、展開、監視しています。マイクロサービスアーキテクチャを採用しているので、新しいアプリケーションの稼働をすばやく開始し、顧客のニーズにスピーディに対応できます。また、マネージドインフラを使用しているので、演算とデータの「構成要素」を用いてアプリを容易に構築して立ち上げることができます。
Abdel El Yahioui氏
世界経済ダッシュボード数を75%削減し、強力なインサイトを獲得
世界経済フォーラムは、 Tableau もデータウェアハウスに追加することで、アナリティクスを簡素化し、意思決定を改善しています。内部データ(イベント出席者など)と外部データ(気候変動問題や持続可能性)を信頼できる唯一の情報源として集約することで、ステークホルダーは行動のために必要な答えをすばやく見つけることができます。
世界経済フォーラムは、金融やパートナー関係などのインサイトを得るため、100以上のダッシュボードを使用してきましたが、集約化して現在は25になりました。新しいダッシュボードでは、KPIを参照できる堅牢な視覚化セットを導入したので、速やかにインサイトを得られます。
世界経済フォーラムが年1回発行するグローバルリスクレポートには、初となるインタラクティブなTableauダッシュボードが収録されています。翌年の グローバルリスクネットワーク をマッピングし、企業における気候変動対策の不備やダウンストリームへの影響などのリスク対策をサポートします。
データのアクセス性を高めることで、すべてのイベントプロセスを改善
世界経済フォーラムのデータを一元化することで、イベントプロセスもシンプルになりました。たとえば、 Sales Cloud を使用してイベント出席者やリードを追跡することで、メンバー数の増加を図ることができます。メンバーがイベント登録やホテル予約について不明な点がある場合は、サポート担当者が Service Cloudを介してメールや電話で対応します。ナレッジ記事を利用することで、担当者はより実践的に応答できます。イベント終了後は、 メンバー調査からのフィードバック を利用してイベント計画を改善できます。
Marketing Cloud には、メンバーデータに容易にアクセスし、今後の重要なイベントを紹介する高度にパーソナライズされたメールを送信する機能も備わっています。イベントおよびスケジュール管理システムと統合することで、各参加者に合わせたスケジュールを送信できます。
サクセスチームが裏方としてスムーズなイベント開催をサポート
世界経済フォーラムの年次ミーティングなどをスムーズに実行するために、頼れるSalesforce Signature Success チームがサポートし、障害やデータ制限違反を防ぎます。チームメンバーには、カスタマーサクセスマネージャー、製品マーケター、プログラム管理ディレクター、サポートが含まれます。
次の段階:AIがデータに生産性をもたらす
データ接続性に対する取り組みは始まったばかりです。世界経済フォーラムは、将来的に高度なアナリティクスやAIを活用するためのデータ準備の計画を進めています。 生成機能 を利用すれば自然言語でデータを容易に検索して分析できるため、複雑なプログラミング言語でクエリーを作成する必要がありません。
他社にはないSalesforceの価値
64
導入以降、ダウンタイムなしで
統合したシステムの数
4か月
で7つのシステムと
Workdayを統合
75%
不要なダッシュボードの削減率